ドル円 短期の方向性喪失レンジ続くか(週報10月2週)

先週のドル/円相場は、ほぼ横這い。一時は直近のドル戻り高値を更新したものの、続かず。

ドル円 短期の方向性喪失レンジ続くか(週報10月2週)

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先週のドル/円相場は、ほぼ横這い。一時は直近のドル戻り高値を更新したものの、続かず。結局、週初の寄り付きレベルまで戻すなど、週間を通してハッキリとした方向性を示すことが出来なかった。

先週末は北朝鮮や日本の政局に絡む材料が幾つか聞かれたものの、豪シドニーが休場となったことに加え、中国が国慶節に絡む長期休場入りしたことで、週明けから積極的な動意に欠ける値動き。
東京は112.55-60円で寄り付いたのち、週末の米雇用統計発表前後の一部を除き、112.20-113.20円の1円レンジ。また、米雇用統計発表前後についても、ドル高に振れたとはいえ上値は113円半ばにも届かず、ドルの上値は重い。結局、112円台に押し戻されると、週末のNY市場は112.65円レベル、週明けオープンに近い水準で大引け、越週している。

一方、週間を通した主な材料のひとつは、引き続き北朝鮮情勢と日本の衆院選に絡む要因。前者については、たとえばトランプ米大統領が「北朝鮮との交渉は時間の無駄」と発言したことに続き、「たぶん、嵐の前の静けさだ」などと述べたことが戦争を示唆したとの思惑を呼ぶなど、相場の波乱要因となっていた。

そのほかでは、実施されたスペイン・カタルーニャ州住民投票で「独立賛成が90%以上」となり独立機運が高まったことや、次期FRB議長人事をめぐる幾つかの報道が観測されたほか、FRBや米地区連銀総裁による発言も一部で相場の材料に。また、週末には注目の米雇用統計が発表され、予想通り発表前後の相場は荒れ模様の展開をたどった感も否めない。

<< 今週の見通し >>

先週末に発表された米雇用統計のうち、非農業部門雇用者数はまさかのマイナスとなったものの、「ハリケーンの影響を受けたもの」という見方から、指標発表後にドルはむしろ買い進まれている。米経済状況や金利面などに着目した場合、依然としてドル高基調は続く見込みで、114円台に迫るあるいは突破する可能性も否定できない。とくに今週は、米FRB幹部の講演が相次ぐだけに、強気発言が続くようだとドルの支援要因となりそうだ。
しかし、気掛かりなのは北朝鮮情勢で、10日の朝鮮労働党創建記念日に向けて再び挑発行動にでる、などとみる向きも少なくない。また、22日の投票日に向けた日本の政局、とくに世論調査なども内容如何では相場の波乱要因になっても不思議はないだろう。

テクニカルに見た場合、それまで形成していた1円レンジを先週末に上抜けたが、NYクローズでは押し戻されるなど、不完全燃焼。先月末からのボックスが112.20-113.45円と、やや拡大したに過ぎず、短期的には明確な方向性が依然として乏しい状況といえよう。
もちろん、長い目で見た場合のドル高リスクは続いていると思われるが、年末に向けた調整を懸念する声も決して少ないわけではない。前述したレンジの下限をしっかりと割り込んだ場合には、下げが加速する危険性もあるだけに一応要注意。

一方、材料的には、継続案件が多いものの注目要因が目白押し。先週に続き今週も、米FRB幹部の講演が相次ぎ、発言が警戒化されているうえ、北朝鮮情勢や日本の政局なども引き続き注意を払いたい。
また、発表され始める米企業の決算や、G20財務相・中銀総裁会議、中国共産党の第18期中央委員会第7回総会なども相場の波乱要因となりかねないだろう。

そんな今週のドル/円予想レンジは、111.50-113.50円。ドル高・円安については、先週記録したドル戻り高値の113.44円が最初の抵抗で、抜けると114円台回復もみえてくる。
対するドル安・円高方向は、日足、週足ともに様々なチャートで111円台にテクニカルサポートが集中しており、底堅いイメージ。仮にそれらをこなしても、110.95-00円に位置する週足・一目均衡表の先行帯の雲の上限では下げ止まりそうだ。(了)

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