<概況>
9月27日高値で113.25円をつけた後、何度か113円台をつけたものの新たな高値更新には至らず、29日夜安値からやや切り上がっていた安値ラインを割り込んで昨晩は112.32円まで下落した。113円台序盤では抵抗感がかなりある印象だった。
9月29日夜安値112.21円を割り込めば、27日高値113.25円と10月3日高値113.19円をダブルトップとした弱気転換の可能性があったが、昨晩安値ではそこまで下げず、ADP、ISMからドル高反応となって戻している。
ADPが発表した9月の民間雇用者数は13万5000人増で市場予想と一致したため、ハリケーンの影響は軽微としてドル高要因となった。
米ISMが発表した9月の非製造業景況指数は59.8で市場予想の55.5を上回り、12年ぶりの高水準となった。10月2日に発表されたISM製造業景況指数も13年ぶりの高水準だったが、先週末のシカゴPMIから景況感の改善傾向が強まっている印象だ。これらは米連銀の利上げ判断に寄与するとしてドル高反応となり、ドル円が深夜に反発するきっかけとなった。
イエレン議長の講演があったが、金融政策スタンスへの言及はなかった。
【ADP統計はまずまず、週末の雇用統計本番も予想の範囲か】
ADPが発表した9月の民間雇用者数は13万5000人増、市場予想と一致した。前月の23.7万人増(22.8万人増へ若干下方修正された)を大きく下回ったがハリケーン被害の影響と思われる。想定よりもかなり悪ければ週末の米労働省雇用統計本番でも予想より悪いという可能性が高まるところだったが、想定通りということで、ならば労働省雇用統計は予想よりも良いかもしれないという受け止め方がされたようだ。
週末の雇用統計における非農業部門雇用者数の事前予想は8万人増前後と予想されている。予想より良ければハリケーン被害の影響は一時的で米連銀の12月利上げ判断に影響せずとしてドル高反応になるだろう。逆に予想よりも悪い場合は12月利上げへの判断に影響が出るとしてドル安反応になるのだろう。
ADPと労働省統計が大きく異なることも多々あり、サプライズも付き物ということも念頭に入れておきたい。
【60分足 一目均衡表分析】
60分足の一目均衡表では、10月4日午前の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンから転落したが、21時前安値からの反騰と5日朝の続伸で遅行スパンは好転、先行スパンも上抜きつつある。このため、4日夜安値を目先の底とした反発期と仮定し、遅行スパン好転中は高値試しを優先する。遅行スパンが再び悪化してくる場合は先行スパンからの転落も伴うと思われるのでもう一度昨晩安値を試しやすいと注意する。
60分足の相対力指数は4日夜の下落で33ポイントまで下げたが、その後の反発で50ポイント台を回復している。50ポイントを上回る内は上昇継続余地ありとし、50ポイント割れから続落し始めるところからは弱気転換注意とする。
概ね3日から5日周期の高値・安値形成のサイクルでは、9月27日夜高値から4日目となる3日午後高値でサイクルトップをつけて下落期に入っていたが、29日夜安値から3日目となる10月4日夜安値で底をつけて新たな上昇期に入った印象だ。このため4日夜安値割れ回避の内は次の高値形成期となる6日から10日にかけての間へ上昇継続しやすいとみる。4日夜安値を割り込む場合は底割れによる新たな下落期入りとして次の安値形成期となる9日夜から11日への下落を想定する。
以上を含めて当面のポイントを示す。
(1)112.50円を上回る内は4日夜安値からの反発継続とみる。113円から113.24円にかけてのゾーンでは戻り売り圧力もかかりやすいとみるが、27日高値113.24円を超える場合は113.50円前後への上昇を想定する。
(2)112.50円割れを弱気転換注意として4日夜安値112.32円試しを想定する。底割れ回避なら112.70円超えから上昇再開とみるが、底割れからは新たな下落期入りと仮定して112.00円から111.80円台への下落を想定する。(了)<9:40執筆>
【当面の主な予定】
10月5日
休 場 (中) 国慶節
休 場 (香) 中秋節の翌日
20:30 (欧) 欧州中銀ECB理事会議事要旨公表(9月7日開催分)
21:30 (米) 8月貿易収支
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 27.2万件、予想 26.5万件)
22:10 (米) パウエルFRB理事講演
22:15 (米) ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁講演
23:00 (米) ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演
23:00 (米) 8月製造業受注指数 (前月 -3.3%、予想 +0.9%)
10月6日
05:30 (米) ジョージ米カンザスシティ連銀総裁講演
21:30 (米) 9月非農業部門雇用者数 (8月 +15.6万人、予想 +8.0万人)
21:30 (米) 9月失業率 (8月 4.4%、予想 4.4%)
21:30 (米) 9月平均時給前月比 (8月 +0.1%、予想 +0.2%)
22:15 (米) ボスティック米アトランタ連銀総裁講演
10月7日
01:15 (米) ダドリー米NY連銀総裁講演
01:45 (米) カプラン米ダラス連銀総裁講演
02:00 (米) ブラード米セントルイス連銀総裁講演
オーダー/ポジション状況
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