<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場は、ドルが全面高。対円を中心にユーロやNZドルなどに対しても上昇し、強含みに推移している。
112.70-75円で寄り付いたドル/円は、しばらく小動き。20ポイント程度の狭いレンジ内で一進一退を続けるも、月替わりを受けてか仲値(午前10時)外貨不足の噂が指摘されると、113円を超え一気に113.20円近くまで値を上げた。前日比75円高で寄り付いた日経平均株価が続伸、本日終値ベースで200円以上値を上げたことも好感されていたという。
ただ、ドルは113円台に乗せたあとはやや騰勢も弱まり、再び揉み合いに。16時時点では若干値を崩した112.95-00円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料として話題となっていたものは、引き続き北朝鮮情勢と日本の政局。たとえば前者について、「北朝鮮、開城工業団地内の工場を秘密裏に稼働」との報道などが観測されたものの、それほど差し迫ったニュースではなく、影響も限定的だった。
また、そのほかでは、「豪中銀が政策金利を1.50%に据え置き」と発表したうえで、声明で「インフレは徐々に加速する見通し」「豪ドル高が続けば成長率やインフレ率は鈍化の可能性」との見通しを示している。
<< 欧米市場の見通し >>
前述した北朝鮮情勢に日本の政局、それにスペイン・カタルーニャ問題、テロの可能性も捨てきれない米銃乱射事件、昨日最高値を更新した米株の行方−−など材料が多く、焦点がなかなか絞り切れない。目先については明確な方向性も見出しにくい状況だ。
とは言え、相場の基本的な地合いはというと、「盤石」ではないものの、依然として上方向にリスクがかかる。動くとすればドル高方向が予想されるだけでなく、仮に調整が入り軟化した場合でも「下がったところは絶好の買い場」−−などといった指摘が聞かれていた。
テクニカルに見た場合、ドル高基調そのものは依然として変化はない。113円台にさほど大きな抵抗が見当たらないこともあり、キッカケ次第で一気に値が飛ぶ危険性も秘めている。
しかし、わずかながら気掛かりなのは、本日記録したドルの高値が前回高値を抜けきれなかったところ。時間足など短期チャート的には、ダブルトップをつけたようにみえなくもない。ドル強気派としては、できるだけ早めに113.20-30円の壁を突破し、「ダブルトップ形成」観測を打破はして欲しいと思っているのではなかろうか。
一方、材料面を見た場合、本日は目立った米経済指標の発表などは予定されておらず、そうした意味ではやや手掛かり材料難か。ただ、パウエルFRB理事が規制改革イベントに参加する予定で、発言には一応の注意を払いたい。
また、米長期金利の行方とともに、昨日最高値を更新した米株の動きにも要注意か。後者は「バブルの域」などと指摘されて久しいが、まったく破裂する感がなく、上昇が続いている。さらに続伸するようだと、ドルの支援要因となりそうだ。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.60-113.60円。ドル高・円安方向は、本日ならびに先週記録したドルの戻り高値が位置する113.20-25円が最初の抵抗で、上方向の抵抗が少ないことから抜ければ114円台回復もみえてくる。
対するドル安・円高方向は、昨日NYや本日東京安値にあたる112.50-60円の攻防にまずは注視。しかし、仮に割り込んでもサポートは多く、大きく崩れるイメージには乏しい。(了)
オーダー/ポジション状況
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