<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場は、ドル高・円安。値動きそのものは決して大きくはなかったが、それでも「寄り付き安・大引け高」でドルの基調の強さをうかがわせている。
112.20-25円で寄り付き、同レベルを日中安値にドルは小じっかり。当初は112円半ばで上げ渋る局面も見られたが、夕方にかけて超えてくると112.65-70円まで上値を伸ばしてきた。時間外で取引される米長期金利が上昇、とくに2年物金利が9年ぶりのレベルに達したことなどが好感されていたという。16時時点では112.60-65円の本日東京高値レベルで推移し、欧米時間を迎えている。
一方、上記以外の材料として話題となっていたものは、「米共和予備選でトランプ大統領支持の候補が敗退」したとのニュース。これが当初、112円半ばでドルの上値をキャップする際の材料になっていたとの指摘も聞かれていた。
また、そのほかでは「小池東京都知事、国政転出を否定」など日本の衆院選に関する幾つかの報道や、「JAL、羽田空港でエンジンから出火の可能性と管制から報告」、S&Pによる「日本の財政、2020年末まで大幅な赤字続く見込み」との発表なども思惑を集めていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
もう少し調整が入ってもおかしくないと思っていたが、予想以上の短期かつ浅押しに留まり、ドルは反発に転じてきた。それだけでなく、本日の東京時間を見ると、先週21日に記録した前回のドルの戻り高値112.72円に面合わせした格好で、ドルは再び地合いの強さを取り戻してきた感がある。ちなみに、前回ドル高値に近い112.80円レベルは、7月高値114.49円を起点とした下げ幅の76.4%戻しにも合致しており、抜ければドルは113円台回復に向け、さらなる高値トライの展開も否定出来なくなりそうだ。
ただし、今年の5月など、ドル/円が114円台で推移していた際に、米国発の「ドル高けん制発言」も聞かれただけに、そうした動きには一応要注意。
テクニカルに見た場合、まずは前述したように112.70-80円の攻防が注視されそうで、超えれば113円台乗せの可能性が高まりそうだ。
そんな113円台だが、チャート的にはそれほど目立ったテクニカルポインがなく、しっかり乗せてくるようだと、114円台に向けて一気に値が飛ぶことも否定出来ないだろう。ポジションの偏りは気掛かりだが、リスクがドル高方向に高いことは間違いない。
一方、材料面を見た場合、8月の耐久財受注速報といった米経済指標が発表されるほか、ブラード・セントルイス連銀総裁やブレイナードFRB理事による講演が実施される予定で、それらにまずは要注意。
また、米金利が上昇傾向をたどるなか、5年債や2年変動利付債の入札にも注意を払いたい。米株や米金利など、ほかの金融市場の動きに左右される展開が続く可能性もある。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.20-113.40円。ドル高・円安方向は、前回高値を含む112.70-80円の攻防が注視されており、抜ければ113円台回復が見えてくる。
対するドル安・円高方向は、昨日までしっかりとは超えられなかった112.05-10円に位置する移動平均の200日線がサポートとして寄与するのかどうかにまずは注目。ただ、仮に割り込んだとしても大崩れは予想しにくく、底堅そう。(了)
オーダー/ポジション状況
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