<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場は、ややドル安・円高。再び北朝鮮情勢への懸念が高まったことで、一時的に円が買われたものの大きな動意は観測されず、値幅も30ポイント程度に留まっている。
111.70円レベルで寄り付いたのち、しばらくは狭いレンジ内での一進一退。しかし、途中で聯合ニュースが「米爆撃機の飛行受け、北朝鮮が東岸の警備強化」と報じたことを嫌気しも円買いが優勢に。111円半ばまで値を下げる局面も観測されていた。その後は再び値動きが止まると、16時時点では111.55-60円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料面として話題となっていたもののひとつは、北朝鮮ファクター。前述したニュースのほか、中央日報からは「北朝鮮、韓国銀を狙って数回のハッキング」との報道も観測されていた。
また、それは別にカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁から「インフレは上昇に向かっておらずブレーキは不要」「米当局は利上げするよう圧力下にはない」との発言が聞かれたうえ、NYタイムズが「米大統領側近6人が公務で私用メールを使用」と報じている。
<< 欧米市場の見通し >>
大きな流れは引き続きドル高・円安方向だが、足もとは調整局面入りした感がある。そうしたなか、昨日のNY時間、本日の東京時間と北朝鮮に関する報道が観測され、上手くポジション調整のキッカケとなっている状況だ。以前にもレポートしたように、「北朝鮮情勢懸念=円買い」という単純な図式ではなくなった感もあるが、ポジション的には依然としてドルロングに傾斜していることもあり、北朝鮮に絡む突発的な報道などを受け、再び円買いが進む可能性も否定出来ない。
テクニカルに見た場合、今月18日以降は111.00-112.70円のレンジを形成しており、期間を先週21日以降とさらに狭めれば111.50-112.70円といった1円強のボックスになる。まずは後者の狭いボックスをめぐる攻防に要注意で、抜けた場合には前者のレンジ・ブレークに注意を払いたい。
なお、トレンドはドル高方向ながら、目先のボックスを抜けるとすれば下方向という気もしないではない。
一方、材料面を見た場合、9月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数といった米経済指標が発表されるほか、イエレンFRB議長やブレイナードFRB理事などによる講演も予定されており、それらにまずは要注意。
ちなみに、前者である9月分の米経済指標については、8月末から相次いだ米ハリケーン被害による数値の下押し観測も取り沙汰されていた。いずれにしても、ハリケーンが米経済にどの程度の影響が出たのかを見極めるうえで、重要な指標と言えるかも知れない。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.10-112.10円。ドル高・円安方向は、まず本日の東京高値である111.80円の攻防が注視され、抜ければ移動平均の200日線が位置する112.10円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日記録した直近のドル安値111.45-50円が再びサポートとして寄与するのかどうかにまずは注目。下回ると、一目均衡表の転換線が位置する111.10-15円を目指す展開か。(了)
オーダー/ポジション状況
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