ユーロ 欧州時間に下げ拡大、調整局面入り
26日の東京市場でユーロドルは1.18台後半で方向感無く推移しました。
昨晩の海外市場ではユーロは一旦1.1832の安値をつけましたが、その後はやや値を戻した流れを引き継いでアジア時間には1.1850を回復、昼過ぎにかけてじり高が続き一時1.1862をつけました。しかし、欧州時間に入り、再びユーロ売り圧力が強まり、東京時間19時半過ぎには1.1795と一時1.18割れとなっています。
昨晩の海外市場では週末のドイツ総選挙での与党の苦戦と極右の台頭を背景としたセンチメントの悪化にユーロが下げ止まらない中、注目のドラギECB総裁の議会証言が行われました。
しかしドラギ総裁は10月の政策変更については再度確認したものの規模については明言を避け、引き続き大規模な緩和を行う必要があると、従来の見解を示すにとどまった印象。為替については最近の為替レートの変動は不透明感の源であり監視しなければならないと述べると同時に、ユーロ高は部分的にはユーロ圏の経済と政治的安定に対する信頼の高まりを示していると肯定的な見解も述べるなど、全般的に輪郭がぼやけた内容。悪化したユーロのセンチメントを覆すだけの内容はありませんでした。
前後してユーロは中期的なユーロ高を支えてきた上昇トレンドラインの下限(昨晩1.875レベルにあった)をはじめて割り込むこととなり、さらにチャート的には、その後ずるずると1.1850をも下回る展開となったことで、いつの間にか、8/29、9/8、9/20の高値により形成されていた、比較的小さなヘッドアンドショルダーのネックライン1.1848までヒットするという、ユーロにとって極めて悪形へと変化してしまっている状況です。
思い起こせば3月中旬極右台頭が懸念されたオランダ総選挙での与党勝利に始まり、極右ルペンを打ち負かしてのマクロン勝利に沸いた仏総選挙の5月に加速したこの中期のユーロ上昇トレンドラインが、ある程度予想されていたとはいえ一度に94議席を確保したと伝えられる極右政党「ドイツのための選択肢」の躍進と予想外のメルケル与党の苦戦で調整に入るのはある意味理にかなっているといえます。
東京時間19:30現在のユーロドルは1.17台に下落。ヘッドアンドショルダーが機能しているとすれば、ユーロドルの下値のターゲットは1.16を微妙に切る水準となります。逆に上値はネックラインのある1.1850近辺が重くなりそうです。10月のECB理事会を前にユーロは調整局面に入りました。
ユーロ圏の経済が変調をきたしているわけではないため、ユーロがどこかの時点で再び上昇に転じる可能性は低くは無いと考えますが、ここまでの強い上昇は一旦終了、調整の売りの後は10月のECBの出方と年内の米国再利上げの状況を窺いながらの方向探りが予想されます。
今晩は21:00のプラートECB理事講演、25:45のイエレンFRB議長講演等が注目されます。
特に昨晩講演した、ダドリーNY連銀理事とエバンスシカゴ連銀理事が、今後の利上げに関して相反する見解を述べていることからイエレン議長の姿勢には再度注目が集まりそうです。
また、米国では新築住宅販売、消費者信頼感指数も発表予定で今晩は米国サイドに材料豊富です。
オーダー/ポジション状況
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