<< 東京市場の動き >>
30日の東京市場は、ドル高・円安。終盤にかけては17日以来となる110円台を一時回復する局面も観測されていた。
109.65円レベルで寄り付いたのち、109.50-55円の日中安値を記録するも底堅い。そのレベルからドルは買いが進むも、しばらくは110円手前がキャップとなり上げ渋りの様相。しかし、米長期金利の上昇などもあり、夕方に110円台を回復すると、ストップロスを巻き込みつつ110.15-20円レベルまで値を上げた。16時時点でも、110.05-10円のドル高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、相場の流れとしては、ドル全面高・円全面安といった値動きで、円は対ユーロやポンドなどでも弱い。実際、ユーロ/円は131.70円レベルまで上昇し、前日記録したユーロの年初来高値を一時更新している。
一方、材料面として話題となっていたものは、引き続き北朝鮮情勢。朝鮮中央通信が「北朝鮮は米韓軍事演習に対抗して火星12型を試射」と昨日のミサイル発射について報じるなか、日米韓などが要請して開催された国連安全保障理事会の緊急会合で「北朝鮮のミサイル発射を強く非難する」とした議長声明が全会一致で採択されている。
また、日韓首脳が電話会談を行い、「北朝鮮への圧力強化」が協議されたもようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
北朝鮮情勢への懸念は依然としてくすぶり、北朝鮮の建国記念日にあたる「9月9日危機説」なども飛び交っている。しかし、米韓合同軍事演習が明31日で終了することもあり、一方では「挑発行為も目先一服するのでは」−−といった期待感が指摘され始めた。足もとは、そんな見方を背景にしたポジションの巻き戻しが優勢となっているようで、また週末に発表される米雇用統計を注視したドル買いの動きも散発的に観測されているという。
予断は許さないが、前述した米雇用統計と相関性が高いとも言われるADP雇用統計が本日のNY時間に発表されることもあり、その内容如何ではさらなるドル高の進展を否定出来ないかも知れない。
テクニカルに見た場合、これまで再三再四指摘してきた「奇数月にドルは高値、偶数月にドルは安値を記録する」−−という今年の相場パターンは、さすがに崩れた公算が大きい気もしていたのだが、昨日の欧米時間そして本日の東京時間を見ると、まだ経験則は生きているようだ。
なお、ドルの戻りのメドについて、フィボナッチの観点から考えると、7月高値114.49円を起点とした下げ幅の38.2%戻しは110.65円レベル、半値(50.0%)戻しは111.35-40円となっている。
一方、材料面を見た場合、8月のADP雇用統計や4-6月期のGDP統計改定値といった重要な米経済指標が発表されるほか、パウエルFRB理事の講演も予定されている。いずれも注意すべきものだが、とくにとなるとADP雇用統計か。ちなみに、事前予想はプラス18万5000人ほどで、7月のプラス17万8000人からわずかに改善するとの見通しが有力だ。さらなる改善を示せば、マーケットはドル買いで反応する可能性もある。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.50-110.90円。ドル高・円安方向は、一目均衡表の基準線が位置する110.20-25円が最初の抵抗で、抜ければ前述したフィボナッチで見たポイントにあたる110.65円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線が位置する109.90-95円をめぐる攻防にまずは注目。割り込めば109.40-50円や109円前後などがサポートとなる。(了)
オーダー/ポジション状況
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