<< 東京市場の動き >>
16日の東京市場は、おおむね揉み合いで方向性乏しい。終日を通し、110円後半というドル高値圏での一進一退をたどっている。
110.65-70円で寄り付いたものの、上下ともに攻めにくく、保ち合い。結局、110.55-80円といった30ポイントにも満たない狭いレンジ内での変動に終始しており、明確な方向性はうかがえなかった。16時時点では、110.75-80円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、本日はドル/円以外の主要通貨ペアも総じて動意に乏しくレンジ取引。全般を通じて動意に欠ける「夏枯れ」相場だった。
一方、材料面としては、引き続き北朝鮮情勢が警戒されていたものの、とくに目立ったニュースはなし。そうしたなか、「独2位の航空会社エアベルリンが破産手続き、運航は継続」と報じられたほか、有力欧米紙であるフィナンシャル・タイムズ(FT)が「フィッシャーFRB副議長、銀行規則緩和の動きは危険」と報じたものの、ともに影響は限定的だった。
<< 欧米市場の見通し >>
目先高値から1ヵ月かけて5.8円ほど下落したのち、目先安値から2日で2.1円もの戻りを達成している。ドルの下値リスクがさほど高くなく、目先は底入れした可能性もあるが、だからといって基調そのものがドル高に転換したとはまだ言えそうにない。このあとの欧米時間に注目材料が幾つか控えているだけに、それらをうけてドルはさらなる戻りをうかがうのか、ハッキリとした基調転換を示すことが出来るのかが注目されている。
テクニカルに見た場合、ドルがトリプルボトムをつけたとみられる日足の形状や、4月と6月、過去2回の底入れのタイミングなどを考えると、目先はすでに底入れしている可能性を否定できない。仮に、その見方が正しいとすれば、今年のパターンである「奇数月にドルは高値を記録」達成に向け、このあとのドルは底堅い値動きをたどりそうだ。
なお、フィボナッチの観点では、昨日記録したドルの戻り高値にも近い、7月高値114.49円を起点とした38.2%戻しの110.90-95円が次のターゲット。抜ければ、一目均衡表の先行帯の雲の下限などが位置する111.60-65円が視界内に捉えられよう。
一方、材料面を見た場合、7月の住宅着工件数など、米経済指標が幾つか発表される予定となっており、それらにまずは要注意。
しかし、それより注目される要因が2つある。ひとつは、7月25-26日に実施された「FOMCの議事録公開」で、12月にかけての利上げヒントなどがあればドル高材料だが、逆に利上げペースの鈍化や12月利上げの不透明感が示唆されるとドル安材料となっても不思議はない。また、もうひとつの注目要因は、20日まで実施される「NAFTA再交渉会合」になる。7月末に米財務長官が「為替安誘導を防止する為替条項を盛り込むよう要請する可能性がある」と発言し、物議を醸しているだけに、どういった決着を見るのか要注目だ。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.30-111.50円。ドル高・円安方向は、昨日のドル高値も近いフィボナッチの観点で見た110.90-95円が最初の抵抗で、上抜けると、一目均衡表の先行帯の雲の下限などが位置する111.60円レベルがターゲット。
対するドル安・円高方向は、東京安値である110.40円レベルの攻防にまず注視。割り込むと、心理サポートの110円が視界内に捉えられるが、その下はしばらく大きなサポートがない。ただ、大きく崩れるイメージは乏しいだろう。(了)
オーダー/ポジション状況
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