ドル円下落、米助言機関の解散、ハト派のFOMCで
16日の海外市場でドル円は上昇後下落、
欧州時間序盤ドル円は北朝鮮情勢の緩和と、FOMC議事録へのタカ派的表現への期待感で一時110.95まで上昇、その後深夜0:00ごろまでは横ばいを続けました。
しかし、トランプ大統領が企業幹部を集めた助言機関である製造業評議会と戦略政策フォーラムを終了させると発表したことからドルが売られる流れに転じ、更に未明3:00に発表された7月のFOMC議事録のハト派的な内容にもう一段のドル売りとなり、安値110.03をつけた後、東京時間6時現在は110.20レベルでの取引です。
トランプ大統領の先週末にバージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義者らと反対派の衝突を巡る人種差別主義者擁護ともとれる一連の発言をめぐり、米国内では反発は強まっていて、すでに大統領の助言機関に属する一部の企業幹部が辞任の意思を表明する事態となっていました。今回解散を発表された二つの助言機関のうち「戦略政策フォーラム」に関しては既に解散を決議していたとのことです。
トランプ大統領は15日に14日の行った事件にかかわるネオナチ集団への強い非難をなぜか全面撤回する発言を行い、KKKの元指導者からの謝意と民主共和両党関係者からの批判を受けています。今回の一連の発言はトランプ氏の人種差別的な側面を浮き彫りにし、議会の運営と政策の実行を更に難しくするものと考えられています。
注目されたFOMC議事録では物価の先行きに対する突っ込んだ議論がされていたことがうかがわれました。委員はここ数カ月でインフレが軟化した原因を究明しきれず、追加利上げの時期については意見が分かれる内容となっており、多くの参加者が物価上昇率が2%を下回る状態が従来の想定より長期化するとの見通しを示しています。
一方で大半の参加者がFRBの買い入れ資産規模の縮小を次回9月の会合で発表することを望んだことも明らかになりました。
議事録公表後前日約50%だった年内の利上げ確率は42.5%まで低下米国債10年物利回りは2.28%から2.22%に下落しています。
今回公表された議事録のFOMCが行われた7月下旬は米指標の悪化が続いていた時期で、今月に入って雇用、小売等の指標に見られた大幅な改善は反映されていません、一方でインフレ指標に関しては今月に入ってからも不ざえな状況が続いていて、参加者の疑念は払しょくできていないものと思われます。
また、トランプ大統領の言わずもがなの発言による与野党の反発や企業関係者の協力拒否は、進展するかに見られていたインフラ投資等の現政権の経済政策推進への障害となり、人種差別問題に敏感な米国においては大統領の資質そのものを改めて問う動きにもつながりかねないことから、当面ドルの頭は重そうです。
ドル円はこのところの指標改善による上昇のモメンタムを失った形になりましたが、110円近辺ではしっかりとした足がかりを見つけた形となったことから、本日は110円台で方向感探りが予想されます。
本日はこの後7:45からニュージーランド6月PPI、8:45本邦7月貿易収支、10:30にオーストラリアの7月失業率の発表があります。
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.21
東京市場のドルは154円台後半で推移、今晩も要人発言で上下に動く可能性アリ(24/11/21)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、時間外の米10年債利回りも上げ一服となったことでドルは一時154円台を付ける場面も見られた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.21
ドル円 地政学リスクくすぶるも再びレンジの様相に(11/21夕)
東京市場は一転してドルが弱含み。とくに終盤下げ足を速めている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2017.08.17
ドル円見通し FOMC議事録ハト派で下落(8/17)
FOMC議事録はハト派的な内容だったが、これまでの市場コンセンサスよりもややハト派度合いが増した印象を与えたため、ドルは全面高となり、
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2017.08.16
目先は方向性乏しい、FOMC議事録を注視(8/16夕)
16日の東京市場は、おおむね揉み合いで方向性乏しい。終日を通し、110円後半というドル高値圏での一進一退をたどっている。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。