<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場は、おおむね揉み合い。110円後半の30ポイントほど足らずの狭いレンジ内で一進一退、目立った方向性はうかがえなかった。
110.65-70円レベルで寄り付いたものの、週末の7月米雇用統計発表をにらみ、積極的な売買は手控えられた。形成レンジは終日を通し、110.55-85円といったところで、動意に乏しく、明確な方向性もうかがえない。結局、16時時点では110.60-65円で推移し、欧米時間を迎えている。
ただ、動意の鈍いドル/円を尻目に、ポンドや豪ドルなどは活発な動き。ポンド/円は日中高値146.60円台から146.10円レベルまで下落後、再び146円半ばまで戻すなど、トータル1円近い変動を記録したほか、豪ドル/円は早朝寄り付いた88.20円レベルを日中高値に、一時87円半ば近くまで値を崩す局面が観測されていた。
一方、材料面としては、早朝から内閣改造に関するニュースが相次ぎ、またそれと絡めた本邦要人発言による発言も多数聞かれている。一例を挙げると、安倍首相から「政権奪還した2012年の初心に戻り、まい進したい」、岸田自民政調会長による「アベノミクスは雇用創出、賃金、GDPで大きな成果」との発言など。
そのほか、米国務省のソーントン国務次官補代行からは、来週開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)にあわせた「ティラーソン国務長官と北朝鮮の李外相の会談は予定していない」との発言が聞かれていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルの下値不安は完全に払しょくされたわけではないが、やはり1日のNY時間に一時110円の大台を割り込んだことで、一旦の「アク抜き」がされたのかもしれない。少なくとも、以前ほどドルの下落リスクは強くない状況だ。
そうしたなか、本日の欧米時間も幾つか材料が予定されているものの、今週もっとも注視されている要因は、明日発表の7月米雇用統計。そのため、明日の雇用統計発表にらみで、基本的にはレンジ内での値動きが続く可能性も否定できない。
テクニカルに見た場合、引き続き一目均衡表の雲の下限を下回っている状況であり、またザラ場ベースでも111.05円レベルに位置する一目の転換線が抵抗となっている感を否めない。まずはその攻防に要注意。ただ、上抜けても111.30-40円には前述した一目の先行帯の雲、111.70円レベルには移動平均の75日線などが位置しており、ドルの上値は重そうだ。
一方、材料的に見た場合、7月のISM非製造業総合指数や6月の製造業受注指数といった米経済指標が幾つか発表される予定であり、それらの内容は当然注視されている。また、昨日若干の動きが見られた「連邦債務の法定上限引き上げ」をめぐる米議会の動静なども、相場の波乱要因として注意を払っておきたい。
とは言え、前述したように、今週もっとも注視されている要因は、明日発表の7月米雇用統計。本日のところは、乱高下などはあったにせよ、基本的にレンジ内での変動に留まるとの見方が有力だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.20-111.20円。ドル高・円安方向は、一目均衡表の転換線も近くに位置する、昨日高値に当たる111円レベルが最初の抵抗か。抜ければ一目均衡表の先行帯の雲が分布している111.30-40円を目指す。
対するドル安・円高方向は、昨日NY時間に2度下げ止まっている110.20-30円が最初のサポート。割り込むと、直近安値の109.92円がターゲットとなるだろう。(了)
オーダー/ポジション状況
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