前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 113.68 114.87 112.30 112.53
ユーロ円 127.58 128.17 125.02 125.26
ユーロドル 1.1223 1.1240 1.1067 1.1128
日経平均 15248.38 16341.56 15243.88 15967.17
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
2月15日(月)
リスク回避の巻き返しが継続、東京市場では株価の大幅高と相まってドル円は114円台を回復する動きとなりました。海外市場に移ってからもドル買いの動きが継続し、米国市場は休場となっていたもののドラギECB総裁が議会証言で追加緩和について言及するとユーロドルが1.1128レベルまで下落する動きに。ドル円もイエレン議長議会証言前の114円台後半まで水準を切り上げ、やや調整が入ってのNYクローズとなりました。
2月16日(火)
東京市場では、株式市場の動きに沿って前場は114.87レベルまで円安が進みましたが、後場は円高の動きとなり朝方の水準で海外市場入りとなりました。欧州市場での最大の注目材料はカタールで開かれていた主要産油国による4か国協議で、減産期待からWTIは夜間取引で31ドル台にまで上伸していましたが、結果は現状での凍結と需給に変化が無いことから一転失望の売りとなりました。この動きを受けて、株式市場は一段安、為替市場では直近のリスク回避の巻き返しから再びリスク回避の動きとなり、円買いが目立ちました。NY市場でドル円は113.60レベル、ユーロ円も126.62レベルと水準を切り下げ、引けにかけては114円台、127円台をかろうじて回復しての引けとなりました。
2月17日(水)
東京市場は株安の動きを受けドル円での円買いを中心にドル売りの動きが目立ち、一時113.38レベルまで水準を下げました。海外市場に移ってからも上値が重たい展開が続いていましたが、当初イランのOPEC担当高官が生産水準凍結に不満を示していたものの、その後同国石油相が凍結を歓迎する発言を行ったことから原油が急反発、WTIは前日高値圏へと水準を切り上げ、主要株価指数もリスクオフの巻き返しで買いが目立つ中、為替市場もドルが底堅い展開での引けとなりました。
2月18日(木)
ドル円は日経平均が堅調な動きを示す中でも上値が重く前日の高値を抜けられず、じり安の展開を続けました。欧州市場に入りECB理事会議事要旨公表を受け、ユーロドルが直近の安値圏を下抜けると、ユーロ円の売りも入り、その後前日までのポジション調整と見られる原油価格の下げと株価指数の下げがリスク回避の動きに。金は急騰、為替市場では円買いの動きとなり、ドル円は113.14レベル、ユーロ円も125.60レベルまで水準を下げ、円買いが目立つ中での引けとなりました。
2月19日(金)
ドル円は東京市場前場に株安の動きから112円台後半へと水準を下げたものの、その後は売買が交錯する状況が続きNY市場までは113円を挟む動きを続けました。しかし、原油価格が前日に続いて下げる動きとなりドル円でもリスク回避の動きから円買いが目立ち、安値112.30レベルと東京市場の高値から1円円高の水準まで水準を切り下げ、やや戻してのクローズとなりました。いっぽう、ユーロドルは週初から続く緩やかなダウンチャネル内での動きを続けたものの、EU首脳会議を前に比較的狭い値幅での取引を継続。ドル円とのスピード差からユーロ円は125.02レベルと2013年6月以来の安値をつけました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
2月22日(月)
17:00 フランス2月製造業・サービス業PMI速報値
17:30 ドイツ2月製造業・サービス業PMI速報値
18:00 ユーロ圏2月製造業・サービス業PMI速報値
22:30 米国1月シカゴ連銀全米活動指数
23:45 米国2月MarkIt製造業PMI速報値
27:00 ラウテンシュレーガーECB理事講演
2月23日(火)
16:00 ドイツ10〜12月期GDP確報値
16:45 フランス2月企業景況感
18:00 ドイツ2月ifo景況感指数
20:15 スイス中銀総裁講演
21:00 トルコ中銀政策金利発表
22:30 フィッシャーFRB副議長講演
23:00 米国12月ケースシラー住宅価格指数
24:00 米国1月中古住宅販売件数
24:00 米国2月消費者信頼感指数
24:00 米国2月リッチモンド連銀製造業指数
2月24日(水)
16:45 フランス2月消費者信頼感指数
23:45 米国2月MarkItサービス業PMI速報値
24:00 米国1月新築住宅販売件数
24:30 米国週間原油在庫発表
27:15 (ダラス連銀総裁講演)
2月25日(木)
09:00 セントルイス連銀総裁講演
16:00 ドイツ3月GFK消費者信頼感
17:00 スペイン10〜12月期GDP確報値
18:30 英国10〜12月期GDP確報値
19:00 ユーロ圏1月PPI
22:15 アトランタ連銀総裁講演
22:30 米国新規失業保険申請件数
22:30 米国1月耐久財受注
23:00 米国12月住宅価格指数
26:00 (サンフランシスコ連銀総裁講演)
30:45 NZ1月貿易収支
2月26日(金)
08:30 本邦1月CPI、2月東京区部CPI
09:05 英国2月GFK消費者信頼感
16:45 フランス10〜12月期GDP確報値
19:00 ユーロ圏2月消費者信頼感確報値
22:00 ドイツ2月CPI速報値
22:30 米国10〜12月期GDP改定値
24:00 米国1月個人所得・消費支出
24:00 米国2月ミシガン大消費者信頼感指数確報値
24:15 パウエルFRB理事討論会参加
27:30 ブレイナードFRB理事講演
27:30 プラートECB理事講演
**:** G20(〜27日)
今週の週間見通し
ドル円は、先週火曜に高値114.87レベルを付けたものの115円台を回復できず、その後はリスク回避の動きもあり着実に高値を切り下げる動きとなっています。115円という水準は黒田ラインとも呼ばれ、以前はサポートとして意識されるべき水準だったのですが、これまでにも書いた通り、115円台半ばはテクニカルにも非常に重要なサポートであり、同水準を抜けてしまった以上、115円台が強いレジスタンスとして意識せざるを得ない状況が続いています。
先週は原油価格に対する失望、期待、そして需給の面から結局は週初の水準へと戻して引けました(WTI原油先物3月限)。今週のドル円日足チャートはWTIの日足チャートを併記しましたので、そちらを見ていただくとよくわかりますが、為替市場のリスクオン・リスクオフの動きに最も影響を与えているのは中国株が比較的落ち着いた動きをしている現在、原油価格ということになります。
ドル円は、原油価格とほぼ同様の動きをしていることがわかりますが、ドル円単体では110円という大台がひとつの大きな節目となっていて、前回の安値は一時的に110円台に入り込んだものの、その後114円台後半へと4円近い反発を見せ、その後上げ幅に対して61.8%押しの水準で週末クローズを迎えました。
しかし、気にすべき点としては先週の4か国協議はあくまでも過去最高の産出量に近い1月の水準での凍結であり、米国のEIA(エネルギー省エネルギー情報局)が発表する原油在庫を見ても需給が悪化していることは明確で、先週18日発表分でもオクラホマの現受け在庫は3週連続で過去最高を記録している状況です。
この需給悪化の状態はそう簡単に解消されるとは思えず、WTIのチャート(期近つなぎ)上では26ドル台でダブルボトムを形成したようにも見えますが、今後同水準を割り込むような動きが出て来るとドル円もまた直近安値をトライするような動きにつながってくると考えざるを得ませんし、原油安の可能性は高いと言わざるを得ません。
また、ここに来て円高に影響を与えそうなもうひとつのテクニカルな要因があります。まずは下のユーロ円週足チャート(表示内容はドル円日足と同様、WTIは表示せず)をご覧ください。
ユーロ円週足チャート
先週、ユーロ円は125円の大台ぎりぎりまで水準を下げ、2015年4月安値を週末終値で下抜けて引けたことはテクニカルに非常に悪い地合いになってきたといえます。この125円台前半は2013年6月以来の水準ですが、上のチャートを見てもわかる通り、2015年12月高値から2016年1月安値までの下げに対して、同じく1月高値までの戻しからフィボナッチ・エクスパンションでターゲットを求めると、次のターゲットとして122.44(78.6%=61.8%の平方根のエクスパンション)が出てきます。現在のユーロ円は同水準をターゲットとしていると考えてよいでしょう。
そうなると、ドル円も引き続きドルの上値が重く円高方向に動くことを考えることが自然です。前回安値をトライしさらに110円の大台をターゲットとする動きが、それほど遠くないうちに出て来るのではないかと見ています。今週は、その前段階としての戻り売りの週ととらえ、111.70レベルをサポートに、113.70レベルをレジスタンスとする一週間を見ておきます。
ドル円(日足)チャート
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
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