<< 東京市場の動き >>
週明け24日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル安・円高に振れると111円割れ、直近安値を更新したが、その後再びドルが買い進まれると寄り付きレベルまで戻している。
今週も週明けドル/円相場は総じて平穏。先週末NYクローズに近い111.05-10円で寄り付いたのち、揉み合い期間を経て、ドル売り・円買いが強まった。前週末比135円安で寄り付いた日経平均株価が下げ幅を拡大させたことなどが嫌気されていたという。
ドルは本日安値の110.75円レベルまで一時下落したものの、その後は再びジワリと買い進められ111円台を回復。16時時点では寄り付きレベルに近い111.05-10円で推移するなど「行って来い」の値動きとなり、欧米時間を迎えている。
一方、材料面としては、毎日新聞が「最新世論調査で内閣支持率は続落し26%」と報じるなか、前日実施された仙台市長選で野党共闘の郡氏が初当選、与党系候補が敗れたことで安倍首相への逆風が再認識された格好に。また、衆院予算委員会の閉会中審査に出席した安倍首相から、疑惑のひとつである加計学園問題について「獣医学部新設で、加計氏から依頼はまったくなかった」との発言が聞かれるなど、終日を通して日本の政治要因にフォーカスがあたっていた感を否めない。
<< 欧米市場の見通し >>
過熱感の乏しい、ドルのじり安傾向が続いている。目先高値からすでに2週間近く、価格的には3円以上値を下げていることを考えると、そろそろ下げ止まっても不思議はないものの、リスクという点ではまだドル安方向にバイアスがかかりそうだ。市場では、「反転するとすれば、25-26日のFOMCを受けて」−−といった指摘も聞かれており、いま少しドルの下落リスクには注意をしておく必要があるのかもしれない。
テクニカルに見た場合、先週末には維持されたドル安値111円レベルを本日の東京時間に割り込んできた。と同時に、フィボナッチ的には6月安値108.75円を起点とした上げ幅の61.8%押し(110.95円レベル)を下回ったことになる。
ドル安方向のリスクが高いことは間違いないが、一目均衡表においては先行帯の雲の下限(110.70-75円)がドルの下支えとなった格好で、むしろ本稿執筆時には同上限(111.25円レベル)を視界内に捉えた値動きだ。いずれにしても、一目均衡表の観点ではどっぷり漬かった雲のなかから上下どちらに抜けていくのか、その方向性が注視されている。
一方、材料的に見た場合、7月の製造業や非製造業PMI速報など発表される米経済指標にまずは注目だが、それ以外でも材料は多い。
たとえば、「クシュナー氏がロシア疑惑めぐり米上院司法委員会で証言実施」の予定であるうえ、米ホワイトハウスは「トランプ米大統領が24日にヘルスケアに関して声明を発表する」と明らかにしている。ただでさえ、米政権運営ならびに経済政策に対する不安感が根強いなか、それらを少しでも払拭できるような発言などが聞かれるのかどうか、ドルが反転のキッカケを掴めるのかどうかについて注目を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.30-111.50円。ドル高・円安方向は、一目均衡表の雲の上限も近い、本日東京時間のドル高値である111.20円レベルが最初の抵抗となる。抜ければ、移動平均の75日線が位置する111.45-50円や同200日線が位置する111.90-95円などがターゲット。
対するドル安・円高方向は、本日東京時間の安値である110.75円の攻防をまず注視。ちなみに、かなり近い110.70-75円には一目均衡表の雲の下限が位置している。割り込むようだと心理サポートの110円ちょうども薄らとだが視界内に。(了)
オーダー/ポジション状況
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