基本はレンジか、ただ荒れた値動きにも注意(7/21夕)

21日の東京市場は、おおむね揉み合い。111円後半を中心とした狭いレンジ内での一進一退に終始している。

基本はレンジか、ただ荒れた値動きにも注意(7/21夕)

<< 東京市場の動き >>

21日の東京市場は、おおむね揉み合い。111円後半を中心とした狭いレンジ内での一進一退に終始している。

111.85-90円で寄り付いたものの、明確な方向性は乏しい。レンジ的にも111.80-112.10円といった30ポイント程度の変動が続いた。その後、前述レンジを下抜けたものの、ドルの安値は111.72円までで値は走らず。やはり、しっかりとした方向性が示されるには至らずに、16時時点でも111.75-80円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、ここ数日は東京時間に荒れることの多い豪ドルが本日も波乱の値動き。デベル豪中銀副総裁から「豪ドル高は世界の成長加速の利益を相殺」「為替相場が下落すれば一段の助けとなる」などといった発言が聞かれ、対円では89円前後で寄り付いたものが、一時88.15円前後まで値を崩す局面も観測されていた。

一方、豪中銀副総裁を除く材料面としては、米紙ワシントン・ポストが「トランプ米大統領はロシア疑惑捜査に関して恩赦の権限を弁護士に質問した模様」と報じたほか、北朝鮮に関し韓国報道官から「応答なく南北軍事会談は開催できず」とのコメント、CNNテレビは「北朝鮮潜水艦が日本海で活動、異例な動きで警戒強める」と報じていたようだ。
また、別にジョイスNZ財務相から「NZドルは強いニュージーランド経済を反映」とのコメントも聞かれている。

<< 欧米市場の見通し >>

リスクはドル安方向にバイアスがかかるものの、ドル売りの勢いはさすがに衰えてきた。また、東京時間に限れば関心が豪ドルやNZドルなどにより高く、欧米時間もユーロやポンドが変動の主役となっている感を否めない。
そうした意味では、やや動きにくそうな雰囲気を醸しており、それほど大きな変動は期待できないだろう。しかし、サマーバカンス入りした参加者もあり、流動性が低下しているだけに、思わぬ価格変動には一応注意しておきたい。実際、昨日の欧米時間も直近のドル安値を更新する時間帯がみられるなど、若干の波乱も観測されていた。

テクニカルに見た場合、まだ完全に割り込んできたわけではないが、緩やかな右肩あがりをたどる移動平均の200日線(111.85-90円)を日足が下回って推移している。週末ということで、ザラ場ベースの動きはもちろんのこと、NYクローズでも上回って大引けることが出来るかどうかが注視されそうだ。
なお、週足の観点で言えば、一目均衡表の先行帯の雲の上限をめぐる攻防にも要注意。上限は今週112.05円レベルに位置しており、本稿執筆段階では下回っている。前述した200日線同様、日足が回復できるか否か、動静を注目したい。

一方、材料的に見た場合、目立った米経済指標の発表や、FRB関係者などによる講演なども予定されておらず、やや新規材料難の様相。
ただ、マイクロソフトをはじめとする米企業決算の発表が予定されているうえ、「オバマケア」や「ロシアゲート事件」に関する続報などにも注意を払いたい。また、「米中包括経済対話」が物別れに終わるなか、同じ「対米貿易黒字」国である日本について、本日付けの日経新聞朝刊が「トランプ氏、日本に自動車市場の開放を要求」と報じていたことなどは気掛かりかも知れない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.30-112.30円。ドル高・円安方向は、本日東京時間のドル高値である112.10円レベルが最初の抵抗で、抜けると昨日高値の112.42円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日記録したドル安値111.48円をめぐる攻防にまずは注視。ただ、110-111円台は移動平均線や一目均衡表などで見た場合のテクニカルサポートが多く、かなり底堅い雰囲気も。(了)

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