ドル円一転しリスクは再びドル安方向に(7月第三週)

先週のドル/円相場は、ドル安・円高。ザラ場ベースでは一時114円半ばまで値を上げ、直近の戻り高値を更新する局面も観測されたが、終わってみれば週末NYは112円台。

ドル円一転しリスクは再びドル安方向に(7月第三週)

一転しリスクは再びドル安方向に

先週のドル/円相場は、ドル安・円高。ザラ場ベースでは一時114円半ばまで値を上げ、直近の戻り高値を更新する局面も観測されたが、終わってみれば週末NYは112円台。週の後半にかけては、ドルの弱さが目に付いた。

ここ数ヵ月、月曜日早朝は「荒れ模様のオープン」となることがなかば恒例と化していたが、先週は平穏。前日まで実施されていたG20首脳会議の宣言は、「保護主義は米国配慮し両論併記」との結論となり、参加国の亀裂が浮き彫りになったものの、相場への影響は限られている。
週明け東京を113.85-90円で寄り付いたのち、ドルはじり高。5月高値の114.37円を超え、11日のNY時間には114.50円の週間ドル高値を記録するも続かず、週末にかけては一転して下値を模索する展開に。一時112.27円と高値から2円以上値を下げ、そこから若干戻したものの、112円半ばのドル安値圏で越週となった。

一方、1週間を通した主な材料としては、前述したG20以外で、「日米首脳が会談実施、米は対日赤字に不満示す」との報道も観測されたが、円の買い要因にはならず。
しかし、いったん棚上げ状態となっていた「ロシアゲート事件」がトランプ氏長男に対する疑惑が浮上し、再燃の兆しをうかがわせると、ドル売り・円買いの支援となった。また、注目のイエレンFRB議長の議会証言で、利上げに慎重な姿勢を示したとの見方が広がったことや、週末に発表された6月の小売売上高や消費者物価といった米経済指標がこぞって予想を下回る内容となったことが嫌気されていた面も否めない。

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先週11日に5月高値を超え、114円半ばまで上昇した際には115円トライは不可避と思ったが、結果からすると上値トライは失敗に終わった格好で、足もとのリスクはむしろ再び下方向にバイアスか。筆者は以前から、今年の相場パターンとして「奇数月にドル天井を記録、偶数月に底値を示現する」−−傾向があると指摘してきたが、今月も、そうした過去の呪縛から逃れられないのかも知れない。
いずれにしても、フィボナッチの観点からすると、先週のドル安値112.25-30円は直近上げ幅(108.75円→114.49円)の38.2%押しにあたる重要サポート。しっかり割り込めば、112円割れの可能性も否定できなくなりそうだ。

テクニカルには、先週の週足は陰線引け。予想通り、週足の陽線引けは4週で終わった。
前述したように、フィボナッチの観点では取り敢えず重要なサポートで下げ止まっており、今後ドルが反騰高をたどる危険性もゼロではないが、可能性は低いだろう。
むしろ、リスクは下方向と考えておいた方が賢明で、週を通した下値ポイントは移動平均の200日線などが位置する111.60-80円レベルか。このゾーンをしっかり割り込むようだと、ドルにさらなる下値余地も見えてくる。

一方、前述したように、先週は発表される米経済指標が悪化傾向をうかがわせたうえ、FRB議長の利上げ消極コメントがあり、ドルの売り要因となっただけに、今週も発表される米経済指標には注意を要したい。弱めの内容が続くようだと失望売りがかさみ、さらなるドル安進行も否定できなくなりそうだ。
また、それ以外では発表される米企業決算や、中国の経済指標発表、日銀の金融決定会合と総裁会見などのほか、再燃の兆しがうかがえる「ロシアゲート事件」に絡む続報なども波乱要因となりかねないかもしれない。

そんな今週のドル/円予想レンジは、111.20-113.70円。ドル高・円安については、先週末NYの急落後の戻り高値である112.70-75円が弱い抵抗で、抜ければ113円半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末安値112.25-30の攻防がまずは注視されるところ。割り込むようだと、安値108.75円を起点とした上げ幅のフィボナッチ半値(50.0%)押しなどが位置する111.60-80円がサポートとなろう。(了)

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