<< 東京市場の動き >>
週明け10日の東京市場は、ドル高・円安。一時先週高値の114.18円を突破する局面も観測されている。
ここ数ヵ月の恒例行事と化していた「荒れる月曜日早朝相場」だが、本日は平穏。NZドル絡みの通貨ペアで若干荒っぽい変動も観測されたものの、ドル/円などは前週末のNYクローズとほぼ同レベルで寄り付いている。
日中最安値となる113.85-90円で寄り付いたのち、ドルはじり高。前週末比141円高と2万円の大台越えで寄り付いた日経平均株価が、そのまま高値圏を維持したことなどが好感されていたという。104.05-10円でやや上げ渋るも、一度上抜けると逆に底堅く、また夕方にかけては114.25円レベルまで値を上げた。16時時点でも114.15-20円で推移し、日中のドル最高値圏を維持したまま欧米時間を迎えている。
一方、材料面では、前週末に実施されていたG20首脳宣言で、「保護主義は米国配慮し両論併記」との結論となり、参加国の亀裂が浮き彫りになったものの、相場への影響は限定的。
また、それとは別に「ロシアを訪れた森元首相が、プーチン露大統領と夕食を交えて非公式に会談した」との報道や、日本の貿易収支や機械受注などの指標発表、中国の消費者物価などが発表されたが、いずれもマーケットに大きなインパクトは与えられなかった。
<< 欧米市場の見通し >>
地政学リスクの再燃など、一抹の不安要因を抱えてはいるが、基本的なリスクは上方向にバイアスかかる。すでに間近に迫っている5月高値114.38円をめぐる攻防にまずは注目だ。しっかり抜ければ、115円が次のターゲットとなり、3月高値115.51円も薄らとだが視界内に捉えられることになろう。
テクニカルに見た場合、再三再四指摘している今年のパターン、「奇数月にドルは高値を示現」−−を参考にすれば、そろそろドル高傾向が一巡しても不思議はないものの、実勢相場をみるとまったく現実的ではない。徐々にポジションが偏りつつあることに加え、米要人の口先介入などは要注意だが、基本的にドルは続伸すると、5月高値を超え、3月高値を目指す公算が大きいだろう。
それに対するドルの下値メドは、一応113円半ば。しかし、ドルの上昇ピッチが速いこともあり、113-114円台に目立ったテクニカルポイントは見当たらない。
一方、材料的に見た場合、6月のコンファレンスボード雇用トレンド指数など幾つかの米経済指標が発表されるものの、マーケットの注目度は決して高くなく、正直影響はそれほど大きくないと予想している。
また、本日はFRB理事など、中銀関係者の講演もとくには予定されておらず、全般的に動きにくい雰囲気か。ただ、米株や金利、原油価格など、ほかの金融市場の動きには注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.80-114.80円。ドル高・円安方向は、5月高値114.38円の攻防がまずは注視されており、抜ければ115円を目指す。
対するドル安・円高方向は、113.50円レベルに弱いサポートが位置するも、前述したように113-114円台に目立った下値メドはうかがえない。逆に言えば、ドルは崩れだすと早いといえなくはないのだが、正直そのイメージは乏しいだろう。(了)
オーダー/ポジション状況
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