<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場は、ややドル安・円高。値幅そのものは決して広くはないものの、早朝を高値に緩やかな右肩下がりで、ドルは冴えなかった。
111.40-45円で寄り付いた直後に日中高値の111.50円レベルをつけるも、その後のドルはじり安推移。米CNNが「北朝鮮の核実験場で新たな動きを察知」と報じたことなども材料視されていたようで、111.20円前後まで一時値を下げた。
しかし、地政学リスクに対する耐性はかなりついており、円買いの動きも限定的。日中安値を記録後、ドルはさすがに下げ止まったが回復も鈍い。結局、16時時点では111.25-30円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的には、前述した「北朝鮮ファクター」のほか、米紙ワシントンポストが文韓国大統領へのインタビューとして「慰安婦問題で日本は謝罪すべき」と報じていたほか、黒田日銀総裁からは「2%目標までには距離があり強力な金融緩和推進が適切」とのコメントが聞かれている。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日の東京時間には台頭していた「112円の壁トライ機運」は、そのあとの欧米時間などに萎み、現在に至っている感を否めない。予断は許さないが、ドルの上値トライは一旦仕切り直しになったようで、足もとは居心地の良い110-112円レンジのちょうど中間地点に位置する。短期的には、111円レベルを中心とした方向性の乏しい値動きをたどる可能性も否定できないようだ。
テクニカルに見た場合、ザラ場ベースでは上回って推移していた移動平均の75日線(111.35-40円)だが、結局NYクローズでは維持できず。上値の重さを再確認した格好と言えるかもしれない。ドル強気派からは、112円前後に位置する一目均衡表の先行帯の雲が現在非常に薄いこともあり、上抜くには絶好のタイミングといった声も聞かれているものの、意外に近くて遠い存在である気もしている。
一方、材料的に見た場合、今週は1週間を通して米地区連銀総裁などによる講演が相次ぐのだが、本日は残念ながらこれといった講演予定はないようだ。また、米経済指標の発表についても、5月の中古住宅販売件数の発表があるのみで、いささか動きにくい雰囲気も。
米株や金利、原油価格など、ほかの金融市場の動きに注意を払いつつ、ドル/円は基本的にレンジ取引の続く展開が予想されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.80-111.80円。ドル高・円安方向は、再び下回ってきた移動平均の75日線(111.35-40円)の攻防が注視され、抜ければ111.80-111.95円に位置する一目均衡表の先行帯の雲がターゲット。112円まででも、テクニカルポイントはそれなりに多く、ドルの上値を阻みそうだ。
対するドル安・円高方向は、110.95円レベルに位置する一目均衡表の基準線が最初のサポートで、その少し下、110.70-75円には移動平均の200日線が位置している。底堅いイメージもなくはない。(了)
オーダー/ポジション状況
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