FRB関係者弱気発言と原油先物下落で株、ドル円反落
21日の欧米市場では原油先物価格の下落と米金融当局関係者の発言からリスク選好が後退、相対的に安全な資産とされる円にやや資金が戻る動きとなりました。
昨晩は、欧州序盤にはドル円ではドル買いが先行し、111.79の高値をつけましたが、シカゴ連銀のエヴァンス総裁がCNBCのインタビューに答えて、インフレの見通しへの不安感を表明し「利上げは12月まで待ってそれから判断することが可能」などと発言、ダラス連銀のカプラン総裁も「インフレは著しく低迷している」と表現しました。両氏はいずれも本年度のFOMCの投票権を持っています。また、ムニューシン米財務長官が「強いドルには輸出等考えると不利な点もある」と発言したこともドルの上値を抑えることとなりました。
一方昨夕のカーニー英中銀総裁の利上げ時期尚早発言にポンドが対ドルで急落したことにユーロもつれ安となったことから、ユーロ円は124円近辺に下落しています。
昨晩はまた、供給過剰不安の続く原油先物価格が続落。一時昨年11月以来となる1バレル42ドル台に下落してアジア時間早朝は43ドル台前半での取引です。
原油先物価格の下落はエネルギー関連銘柄を中心とした株価の下落を招き、昨晩の欧米株式はほぼ全面安、NYダウは61.85ドル安い21,467.14ドルで終了しています。
欧米市場の為替の動きは、ポンドを除けば調整の範囲内であったといえますが、米国の増産と在庫増を背景とした原油先物価格の下落は明らかに市場のリスク許容度を徐々に低下させており、注意が必要です。
ドル円は昨日日足の一目均衡表の雲に跳ね返されて反落したものの下値は固く、ドル円は再度の雲上抜けトライも可能な位置で方向感探りが続いています。
本日東京時間はこの後8:50に4月26、27日開催の日銀政策決定会合の議事要旨の発表、13:30本邦4月の全産業活動指数、15:30頃から日銀黒田総裁の全国信用金庫大会でのあいさつ等があります。
オーダー/ポジション状況
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