再びドル高方向にリスク、強保ち合いか
16日の東京市場は、ドル高・円安。小幅ながらドルは続伸、111円台を回復するなどドルの強さが目に付いた。
前日のNYクローズとほぼ同レベルの110.90-95円で寄り付いた直後、110.80-85円の日中安値を付けたが底堅い。スグに切り返すと、ドルは高値111.35-40円までジリジリと値を上げている。前日比99円高で寄り付いた日経平均株価が、上げ幅をさらに拡大させたことなどを好感していたという。16時時点では111.20-25円の日中高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、東京時間の日本円は対ドル以外、ユーロやポンド、豪ドル、ランドなどでも弱く、全面安の様相だった。
一方、材料的には、注目材料だった日銀会合で「金融政策の現状維持を7対2で決定」と発表されたことに続き、黒田日銀総裁が会見で「2%の目標向けモメンタム維持のため必要な政策調整を行う」「現時点で出口の収益を具体的な数字で示すのは適当でない」と発言したことなども、円売り要因として材料視されていたもよう。
<<欧米市場の見通し >>
14日の欧米時間に110円台から108円台へと一時値を下げ、ドルの下値リスク再拡大観測が高まったものの、時間足などの短期チャートを見ると、以降は一貫してドル高進行。そして実際に、本日東京時間にドルは111円台前半までの反動高を達成している。つまり、14日にみられた前述のドル下押しは「ダマシ」であった可能性が高そうだ。
と言うより、むしろドルの上値リスクを再び感じるような足形で、112円レベルをしっかり超えればさらなる高値追いを否定できないかも知れない。
テクニカルに見た場合、110.60-65円に位置した移動平均の200日線突破にはやや手こずったものの、最終的はザラ場だけでなくNYクローズでもしっかりと上抜けてきた。そんなドルの次なるターゲットは、111.80-112.15円に位置する一目均衡表の先行帯の雲か。雲はわずか30ポイント強と、現状かなり薄い状態だけに、強気派からは「上抜くにはもってこい」との指摘も聞かれている。
一方、材料的に見た場合、5月の住宅着工件数や6月のミシガン大学消費者信頼感指数など発表される米経済指標や、FOMCへの投票権を有するカプラン・ダラス連銀総裁の講演にまずは注視。前者については、正直なところ通常であればそれほど関心の高いモノではないものの、ここ数日は発表される指標が事前予想値と乖離した内容となることが多く、それを受けてマーケットが予想以上の乱高下をたどることも少なくない。「二度あることは三度ある」の格言もあるだけに、一応の注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.50-111.80円。ドル高・円安方向は、高値114.38円を起点とした下げ幅の半値(50.0%)戻しに当たる111.55-60円が最初の抵抗に。抜けた場合には、111.80-112.15円に位置する一目均衡表の先行帯の雲がターゲットとなろう。
対するドル安・円高方向は、昨日上抜けた移動平均の200日線(110.60-65円)が下値メドとして意識されている。なお、本日は週末ということで、110.15-20円に位置する週足・一目均衡表の先行帯の雲の上限を上回ってNYが大引けることが出来るか否かにも注意を払いたい。(了)
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2017.06.19
ドル円見通し (週報17年6月第三週)
2015年12月の利上げ再開。大幅に先送りされた後の2016年12月利上げ。2017年に3回の利上げ予想が示されていた中での2017年3月利上げ。これらは皆、ドル円としては
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2017.06.16
ドル円見通しFOMC前の急落を解消買い優勢(6/16)
60分足の一目均衡表では、15日夜の急騰により遅行スパンが好転(実線を上抜く)、先行スパンを突破した。基準線も切り上がりで上昇している。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。