<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場は、ドル安・円高。午前中は比較的底堅い展開だったが、午後にかけて下げ足を加速、ドルは一時111.20円台まで値を下げ、終日を通した安値圏で引けている。
111.75-80円と本日の最高値圏でオープンしたのち、当初は底堅い。下値は111.60円台までで大きく値を崩すことはなかったが、夕方にかけて111.20円台まで一時値を下げてきた。時間外で取引されている米金利が低下し冴えない値動きをたどったほか、日経平均株価が大引けベースで前日比126円安と大きく反落したことが嫌気されていたという。16時時点でも、111.30-35円という本日のドル安値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、若干動意の鈍かったドル/円だが、円絡みのクロスはなかなかの変動をたどっており、かつ円全面高と言ってもよい内容。とくに、ポンド/円は幾つかの世論調査で、「英保守党のリードが縮小」と報じられことが失望をよんだこともあり、東京時間だけで1円を超える下げ幅を記録するなど、荒っぽい価格変動となっていた。
そうしたなか、材料的には、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁から「今年は3回の利上げが適切」、ブラード・セントルイス連銀総裁から「利上げ予想は積極的過ぎるかもしれない」といった米利上げに関する複数の発言が聞かれたものの、マーケットの反応は限定的。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルの上値トライは失敗した感があり、目先は再びレンジ相場入りしそうな雰囲気だ。基本的には、先週18日の欧米時間以降形成している111円台を中心とした非常に狭いボックス内での一進一退が予想されている。ただ、111円前後をしっかりと割り込むようだと、110.24円の直近安値が視界内に捉えられても不思議はない。
なお、本日は材料的にも注目される要因は幾つかあるが、それに加え週末から米国市場が連休入りすることを受けたポジション調整の動きなどにも一応要注意。
テクニカルに見た場合、依然として日足・一目均衡表の先行帯の雲の上限(111.80円レベル)に絡む推移を続けているだけでなく、最終的にはドルの強い抵抗となっている感を否めない。
また、本日は週末ということで、今度は週足・一目均衡表をみてみると、一目均衡表の先行帯の上限が111.15-20円に位置している。こちらは、先週までの動きを見ると逆にドルの下値を支える強いサポートとして寄与して感がうかがえ、ザラ場ベースもさることながら、本日のNYクローズで維持することが出来るのかどうかを注視してみたい。
本日欧米時間のドル/円予想レンジ 110.50-111.80円
一方、材料的に見た場合、4月の耐久財受注や1-3月期のGDP統計改定値といった重要な米経済指標が幾つか発表される予定となっており、それらの内容にまずは注目。
また、それ以外でも本格的な議論が始まるG7首脳会議などへの警戒感も強い。ちなみに、G7については、通商問題や気候変動対策について活発な議論が交わされる見通しだ。そして、先行して行われた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議では、トランプ米大統領が「加盟各国は防衛費を公平に負担していない」と激しく批判する異例の演説を行ったと報じられているなど、G7においても、トランプ発言は相場変動の台風の目となる可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.50-111.80円。ドル高・円安方向は、一目均衡表の基準線や先行帯の雲の上限などが位置する111.60-80円が最初の抵抗か。抜けた場合には112.13円の直近高値がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末から今週初めにかけて下げ渋った111円前後の攻防にまずは注目だろう。しっかり抜ければ、110.24円の5月安値が見えてくる。(了)
オーダー/ポジション状況
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