<<東京市場の動き>>
23日の東京市場は、小幅にドル安。レンジそのものは50ポイントほどと決して広いものではなかったが、上下に振れるなかなか激しい値動きで、値幅の割に荒っぽい価格変動だった。
111.25-30円で寄り付いたのち、前日NYの流れを継ぎしばらくは小じっかり。しかし、「英マンチェスターのコンサート会場で、テロとみられる爆発事件発生」と報じられると、リスク回避の円買いが殺到し、短時間のあいだに、一気に110.85円レベルまで値を下げた。
そののち、一旦はポジション調整の動きから111.20円レベルまで回復するなど戻り歩調をうかがわせるも、昼過ぎからドルは再度軟化し、午前安値をうかがう展開に。16時時点では111.00-05円で推移し、欧米時間を迎えている。
材料的には、前述した「英テロ」とみられる報道があり、こちらについては現地警察がのちに「22人死亡、59人が怪我」と発表したうえ、テロの可能性が高いとの見解を示していた。
また別途、米紙ワシントン・ポストが「トランプ米大統領は3月にコーツ国家情報長官らに対し、トランプ陣営とロシア政府のあいだの共謀の存在を公式に否定するよう求めていた」と報じ、こちらもトランプ政権がダメージを負うとの物議を醸し、円買い材料として寄与していたという。
<<欧米市場の見通し >>
先週末19日のNY時間以降は、おおむね111円台の値動きで、正確に記せば110.93-111.74円のレンジを形成していたが、本日東京時間にその下限を一時割り込んできた。ただ、下値は110.85円レベルまでで、誤差の範囲内と言えるかもしれず、また滞在時間の短さからすれば「しっかりと下回った」とも言えない状況だ。
いずれにしろ、わずかに下方向のリスクが高まってきたイメージながら、明確な方向性が出てきたというには至っていない。引き続き足もとのボックス圏を上下どちらに抜けていくのか、その方向性を注視したい。
テクニカルに見た場合、一目均衡表の先行帯の雲は本日も110.75-111.80円レベルに位置しており、本稿執筆段階で日足は「雲」にどっぷりと浸かっている状態だ。ちなみに、そんな一目の雲、上限が今後しばらく横這いを続ける反面、下限については一時110円前後まで下値を拡大させることが見込まれている。110-111円台などで推移し、方向性が出にくい状況がしばらく続く可能性もある。
一方、材料的に見た場合、発表される4月の新築住宅販売件数やFOMCの投票権を有する米地区連銀総裁であるカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁などの講演にまずは要注意。また、それとは別に、米下院歳入委員会税制改革での公聴会や、2018年度の米予算教書の詳細発表なども波乱要因として警戒されているようだ。
さらに、WP紙が新たな疑惑を報じるなど、トランプ政権をめぐるゴタゴタが続いていることや、週末G7首脳会議を前に外遊中であるトランプ米大統領の一挙手一投足にも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.60-111.80円。ドル高・円安方向は、時間足ベースなどで見た場合、ここ数日のドル高値が位置する111.60-75円が最初の抵抗に。抜けても112円前後からはテクニカルポイントが多い。
対するドル安・円高方向は、本日安値も近い一目の雲の下限が位置する110.75円レベルの攻防をまずは注視。同レベルを下回れば、110.24円の直近安値が視界内に捉えられそうだ。
オーダー/ポジション状況
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