<<東京市場の動き>>
ドル円狭いレンジでの動き
19日の東京市場は、ドルが小安い。おおむね111円前半を中心とした一進一退で明確な方向性が乏しかった。
111.45-50円でオープンしたのち、本日東京時間のドル高値111.60円レベルを付けるも、その後は上げ渋り。ただ、下値も堅く安値は111.10円手前までで、東京時間の変動幅はわずかに50ポイントほどに留まっていた。16時時点では111.25-30円と、ドルは若干冴えないレベルで推移したまま、欧米時間を迎えている。
なお、方向性の乏しかったのは為替だけでなく、日経平均株価も冴えず。最終的には前日比小幅プラスで大引けたものの、それまでは前日終値を挟んだ上下動でハッキリしない値動きだった。
材料的には、朝鮮中央通信が「北朝鮮、韓国新政権を初めて批判」と報じたほか、ロイター電で「中国戦闘機、米軍機に異常接近」と伝えられるなど、アジアを中心とした地政学リスクを喚起させるニュースが幾つか聞かれたが、インパクトは限定的で、影響も限られている。
<<欧米市場の見通し >>
ドルの下値リスクやや後退か
昨日の欧米時間、安値108.13円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%押しである110.50円を一時下回るも、そこから1.5円ものドル急反発をたどっており、ドルの下値リスクもやや後退した感がある。ここ最近の相場はボラティリティ(変動率)が非常に高く、一日に1円以上動くことも少なくないだけに油断は禁物だが、足もとの110-112円といったボックス圏で一進一退をたどる可能性も否定できないだろう。
テクニカルに見た場合、昨日レポートした「いまだ埋め切れていない109.10-60円のギャップ」トライ−−といった動きは、やや早計で、目先予想しにくくなった。ただ、一方で上値も重そうであり、112円そして113円など1円おきになかなか強い抵抗が位置しているため、さらなるドルの上昇を阻みそうだ。
なお、本日は週末ということで、ザラ場だけでなく、NYクローズレベルにも注意を払いたい。とくに、111.20円レベルに位置する週足・一目均衡表の先行帯の雲の上限を上回れるか否かは、来週の相場を考えるうえで非常に重要。攻防が注視されている。
今晩は重陽指標なし、トランプ外遊、週末の国際会議等に注意
一方、材料的に見た場合、先週末から予想値とかい離する数字が数多く発表され、マーケットの波乱要因となっていた米経済指標は、本日目立ったものが発表されず。米経済と金融政策についてのプレゼンを実施するブラード・セントルイス連銀総裁の発言には要注意だが、材料的にはやや動きにくそうなイメージだ。
しかし、いささか後退したとはいえ、トランプ政権に対するリスクは依然としてくすぶっているうえ、この週末以降、アジア太平洋経済協力会議(APEC)やトランプ氏の初外遊ならびにG7首脳会議など、国際的な重要イベントが目白押し。それらに関しての発言などが思わぬ波乱要因となる可能性もある。
欧米時間のドル/円予想レンジ110.70-112.00
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.70-112.00円。ドル高・円安方向は、時間などで見た直近のドル高値である111.70-75円が最初の抵抗で、抜けると112円などの攻防が注視されそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値111.10円レベルなど110-111円台には移動平均を中心としたチャート分析でサポートが数多い。昨日下値トライを失敗した感もあり、積極的に下値を責めにくい雰囲気も漂う。(了)
オーダー/ポジション状況
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