ドル円は調整の始まりか
今週の日経新聞では、9日付で米国のVIX(S&P500のボラティリティ)が23年ぶりの低水準とあり米国株の下落に懸念を示す市場参加者について触れ、昨日は東京市場の17時時点レート(日銀公表)でみると10日、円相場は12営業日続落と、今までに無いことが起きているぞと煽っているような記事が目立ちました。
前者のVIXは終値ベースで23年ぶり低水準ということのようですが、ザラバベースでは2006年に8.6%まで低下後に翌年米国株は急落という大相場を演じました。昨日の米国株はこのまま急落かと思わせる動きであったものの数時間で回復と相変わらずの力強さを見せています。
ドル円も全く同様で、日銀公表ベースでは4月19日から昨日まで営業日ベースで常に円安が進んでいて、警戒感が高まっていたところに米株の急落から一時的に円高が進みましたが、その後は引けにかけ戻す激しい動きを見せました。こうした動きを見ると、地政学的リスクや日米間の貿易摩擦といった円高材料に目をつぶり、一方的にリスクオンに傾いていたが故の結果と言えますが、今週末にはG7もあり当面はこれまでのリスクオンの動きに対する調整が入りやすいと見ています。
ドル円の日足チャートをご覧ください。
ドル円日足
昨年12月高値と今年4月安値の半値(113.40)はあっさりと上抜け、61.8%戻し(114.64)も見るのかという勢いでしたが、4月安値からの上昇スピードはチャートを見てもかなり急だということがわかります。いったんこのスピードの調整が入ると考えると、既に短期高値は今週の114.36、現状は4月安値とこの114.36の上げに対する調整の押しを考えます。
もっとも浅いところで23.6%押しの112.89、もっとも可能性が高いのが38.2%押しの111.99です。日経平均株価が現物ベースでは2万円の大台をつけていない点は達成感に欠けますが、円相場に関しては短期間に調整も無く6円以上も円安に動いたということからは、かなりポジションが円売りに傾いている可能性が高く、来週は112円台前半から後半をターゲットとしやすいことに注意しましょう。
オーダー/ポジション状況
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