<< 東京市場の動き >>
3日のアジア市場は、わずかにドル高・円安。東京が休場となった影響もあり、商いは閑散で値幅は20ポイント程度ときわめて限定的なものに留まるなか、終盤にかけて若干のドル買い・円売りが観測されている。
112円前後で寄り付いたものの、しばらくは動意も乏しく揉み合い。111.95-112.05円といった10ポイント程度のベタ凪商状で、動意らしい動意はほとんど観測されなかった。しかし、そののち、対ユーロでのドル買いなどがキッカケとなり、ドル/円も連れ高。一時112.17円レベルまで値を上げ、16時時点では112.05-10円と若干緩んだレベルで欧米時間を迎えている。
なお、本日は為替市場全般で動きが鈍かったが、そうしたなか唯一気を吐いたのが豪ドル。早朝から冴えない値動きで、対円やドルなどでは大きく値を下げていた。
材料的には、読売新聞朝刊が憲法記念日らしく、安倍首相へのインタビューとして、「憲法改正を実現し、2020年の施行目指す」と報じていたほか、NHKが、米ホワイトハウスは通商や産業関連の政策を大統領に助言する「国家通商会議」を常設の「通商製造業政策局」に改組する事を決めた、と明らかにしたものの、ともに相場への目立った影響はみられず。
<< 欧米市場の見通し >>
足もとは落ち着きを取り戻しているとはいえ、北朝鮮リスクなどが依然としてくすぶるなか、実態の乏しい期待感先行のドル高が続いている。そのため、どこまで上値を買っていいのかという疑問もあるが、足もとのリスクという点ではドル高・円安方向にバイアスがかかることは間違いない。112円レベルをクリアに超えられず、「新たなステージ入り」したとはいえない状況だけに、まずその足掛かりが出来るのかどうかを注視してみたい。
テクニカルに見た場合、昨日欧米時間に112.20円の3月31日高値を一時上抜けたが、予想ほど値は走らず高値は112.33円まで。また、NYクローズでは112円前後まで押し戻されており、112.30-35円に位置した一目均衡表の先行帯の雲の下限がドルの抵抗として寄与した格好となった。
そして、昨日に続き本日の東京時間も、一目の雲には一度も届くことなく推移しており、このあとも雲の下限ならびに上限(112.85-90円)をめぐる攻防が注目されている。
一方、材料的に見た場合、本日は注目ポイントが3つある。ひとつ目は、週末5日に発表される雇用統計と相関性が高いとされる米経済指標の4月ADP雇用統計の発表で、ふたつ目はFOMCによる声明・経済見通しの発表だ。後者に関して若干補足すれば、6月の利上げを示唆ならドル高、6月利上げのヒントがなければドル安方向に動く展開を予想する声が取り敢えずは有力か。
そして最後、3つ目の要因は、実施される予定の「フランス大統領候補のテレビ討論会」にも注意しておきたい。マクロン候補が優勢維持であれば、それほど問題はなさそうだが、逆にルペン候補の巻き返しが確認されるようだと、ユーロはもちろん、円相場についても波乱要因となりかねないかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.40-112.60円。ドル高・円安方向は、昨日のドル高値112.33円が最初の抵抗で、超えても112円後半には移動平均や一目均衡表、フィボナッチなどで見た際の複数テクニカルポイントが位置している。上値は引き続き重そうだ。
対するドル安・円高方向は、111.70-75円に移動平均の5日線が位置するものの、それを除くと111円台に強いサポートはうかがえない。ドルの下値余地はさほど大きくないと予想するが、一旦崩れだすと下げ足は意外に早い可能性もある。(了)
オーダー/ポジション状況
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