<<東京市場の動き>>
28日の東京市場は、膠着相場で方向性なし。終日を通し111円台前半での揉み合いで、値動きは結局30ポイントに満たない小幅なものにとどまった。
111.25円レベルで寄り付いたものの、大きな動意はなく、111.05-111.35円といった極めて狭いレンジ内での一進一退に終始。実質ゴトー日(5・10日)の週末ということに加え、4月の月末最終日にあたることで需給要因を注目する声が聞かれていたが不発に終わり、様子見感が強いまま一日の取引を終えた。16時時点では寄り付きレベルとほぼ同じ111.25-30円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、材料的には、早朝に3月の全国消費者物価など日本の経済指標がまとめて発表されたうえ、ロイター通信がトランプ大統領の発言として「北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐって膠着状態となれば、同国との大きな紛争が起きる可能性がある」と報じたものの、いずれも影響は限定的だった。
<<欧米市場の見通し >>
かつて推移していた110-112円のボックスに回帰した感があるだけでなく、週の半ば26日NY時間以降はさらに狭い、110.80-111.80円の1円レンジを形成している感がうかがえる。いずれにしても、明確な方向性は乏しい状況だ。基本的にはレンジ取引を見込む声が有力だが、このあとは注目材料なども控えているだけに、予断は許さないかもしれない。
テクニカルに見た場合、3月高値115.51円を起点とした下げ幅の半値(50.0%)戻しにあたる111.80-85円をはじめ、上方向のポイントは多く上値は重そう。ただ、重いが故に、重要な112.20円を仮に抜けていくようなら、ドル高が一気に加速するという危険性もないではない。
それに対し、ドル安方向のサポートも切り上がっていることは確か。27日NY安値の110.87円を含め、大雑把に111円レベルをしっかりとクリアに割り込むことが出来るかどうかが注視されている。
一方、材料的には、発表される米経済指標や、FOMCの投票権を有するハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の講演に要注意。なかでも前者の米経済指標については、とくに1-3月期のGDP速報値に対する警戒感が強いようだ。ちなみに、事前予想値は前期比年率1.0%程度であるためか、0.5%以下の数字がでればネガティブ・サプライズとの見方も聞かれていた。
また、それらとは別に、本28日に現行の米暫定予算の期限が切れることを警戒する声も少なくない。このままでは連邦政府機関の一部が閉鎖に追い込まれる見通しであり、その場合に為替市場はドル売りなどの反応を見せる可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.50-112.00円。ドル高・円安方向については、昨日高値の111.60円レベルそして3月高値115.51円を起点とした下げ幅の半値戻しにあたる111.80-85円などが抵抗に。抜ければ名実ともに112円台回復がターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、昨日NY安値の110.87円、110円半ばなどがドルのサポートに。それらを割り込むようだと110円割れもみえてくるが、一朝一夕で到達する可能性は極めて低いだろう。(了)
オーダー/ポジション状況
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