110-112円でドルは強保ち合いか(2017年4月27日)

27日の東京市場は、おおむね揉み合い。ややドル高方向にバイアスかかるも、形成レンジは終日を通して40ポイントほどで、強い方向性はうかがえなかった。

110-112円でドルは強保ち合いか(2017年4月27日)

<<東京市場の動き>>

27日の東京市場は、おおむね揉み合い。ややドル高方向にバイアスかかるも、形成レンジは終日を通して40ポイントほどで、強い方向性はうかがえなかった。

前日のNY市場終盤の流れを継ぎ、111.05円前後とドルのこの日の安値圏で寄り付いた。しかし、仲値決定(午前10時)前後にかけては、調整的なドル買い戻しなどからじり高に推移。欧米時間のドル売り要因となっていた米金利低下が一服したことや、月末をにらんだ仲値需給要因などがドルの買い材料になっていたという。
一時111.40円レベルのドル高値を記録するも続かず、上げ渋ると、その後は111円台前半での揉み合いとなった。16時時点では111.35-40円で推移し、欧米時間を迎えている。

なお、材料的には、日銀会合で「金融政策は現状維持」決定となったが影響は限定的。また、そののち、日銀総裁会見で黒田氏が「出口戦略を具体的に議論するのはかえって混乱」などと述べたことで若干円売りとなるも、やはり影響は限られたものに留まっている。
一方、それとは別に、米ホワイトハウスが、「トランプ米大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)を現時点で終結させないことで合意した」と発表、これを受けてカナダドルやメキシコペソが動意づくも、ドル/円の反応は薄かった。

<<欧米市場の見通し >>

地政学リスクの後退などによりリスク回避の円買いムードが萎んだ感は否めないが、上値も重く、結局昨日そして本日も112円の壁には届かなかった。まだ不確定要素は残るものの、かつて推移していた110-112円のボックス圏に回帰したとみられ、本日の欧米時間は基本的にそのなかでの一進一退が続く公算が大きいだろう。

テクニカルに見た場合、昨日のドル高値に近い111.80-85円は、3月高値115.51円を起点とした下げ幅の半値(50.0%)戻しにあたるなかなか強いレジスタンス。抜けても112.20円は3月31日に記録した前回のドル高値という強いフシにあたる。ドルの上値が引き続き重い状況であることは間違いない。
それに対し、ドル安方向のサポートは切り上がっていることは確かであり、まずは昨NY安値の110.87円、そして110円半ばなどがサポートに。

一方、材料的には、3月の耐久財受注など幾つかの米経済指標が発表されるものの、よほどの数字にならない限り影響は限定的か。
と言うより、本日の欧米時間はECBによる政策金利発表ならびにドラギ総裁の会見が、最大の注目材料として認識されている。したがって、相場の「主役」もユーロ絡みとみられており、ドルや円は基本脇役で動きにくいか。ただ、そうはいっても、週初のフランス大統領選を受けた値動きのように、ユーロ/ドルなどが大きく動けばドル/円もそれに連れて動意づく可能性はある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.70-111.90円。ドル高・円安方向については、前述したように昨日のドル高値も近い3月高値115.51円を起点とした下げ幅の半値戻しにあたる111.80-85円の攻防にまずは注目。抜ければ名実ともに112円台回復がターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、昨日NY安値の110.87円、110円半ばなどがドルのサポートに。それらを割り込むようだと110円割れもみえてくるが、そこまで到達する可能性は極めて低いと考えている(了)

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