<< 東京市場の動き >>
週明け24日の為替市場は、早朝から大荒れ。ユーロを主とした動意だったが、ドル/円も下方向に大きなギャップを空けて寄り付いている。ただ、その後は徐々に落ち着きを取り戻すと、東京市場だけなら110円台前半を中心とした揉み合いが長かった。
昨23日に実施されたフランス大統領選において、「マクロン氏とルペン氏が決選投票へ」と報じられたことを受け、最悪のケースは回避できたとの見方が広がると、薄商いのなかユーロの買い戻しが殺到。ユーロ/円は先週末のNYクローズ116円台だったものが、いきなり120円台で寄り付いている。
そうしたなか、ドル/円も荒れ模様で、同様に109.10円だったものが110円半ばと、1円以上のギャップを空けてのスタートとなった。しかし、早朝に記録した110円半ばが終日を通した高値になるなど、その後はドル高も失速、結局16時現在では110.15-20円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、早朝に報じられたフランス大統領選の結果を除くと、それほど目立った材料はなし。敢えていえば、日米首脳が北朝鮮問題について電話会談を実施したと報じられたものの、公表された内容は「北朝鮮に自制要求で一致」といったもの。新味に乏しく影響は限定的だった。
<< 欧米市場の見通し >>
早朝の薄商いだったとはいえ、強固な110円の壁を上抜けしている現状をどう考えたらいいのだろう。つまり、「かつての110-112円レンジに回帰した」のか、それとも「ドルは一段高に向けて再始動をきった」のか、はたまた「一時的な動きで、再び円高方向に回帰する」のか−−、まだ断定はできない。ただ、少なくともフランス大統領選という材料については取り敢えず消化した感があり、さらなるドル高の進行には別の材料が必要という気がしている。
テクニカルに見た場合、110円を超えてきたものの、高値は移動平均の4週線も近い110.55-60円まで。上値については、まずは東京高値をめぐる攻防が注目されそうだ。
対する下値は、やはり東京時間に空けた下値のギャップで、多少の「埋め」は入ったものの、完全に埋めるには、まだ70-80ポイントが必要。ちなみに、ごく短期、先週末のNY安値108.88円を起点に、本日東京高値までの上昇幅に対するフィボナッチで考えた場合、38.2%押しは109.88円、半値(50.0%)押しは109.69円、61.8%押しは109.50円などとなる。
一方、材料的には、3月のシカゴ連銀全米活動指数や4月のダラス連銀製造業活動指数など、発表される幾つかの米経済指標ならびに、FOMC投票権を有するカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の講演に要注意。
また、時間外の先物取引で100ドルを大きく超える上昇をたどっている米株など、為替以外ほかの市場の動きにも注意を要するだろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.40-100.60円。ドル高・円安方向については前述したように東京高値をめぐる攻防にまずは注目。抜ければ111円台回復も視野に捉えられるが、一朝一夕に回復する展開は見込みにくい。
対するドル安・円安方向は、こちらも前述した短期フィボナッチの観点からすると、109円台後半から半ばに弱いサポートが多いようだ。それらをこなせば、空けているギャップの下限である109.10円レベルがターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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