<< 先週の回顧 >>
先週のドル/円相場は、若干のドル高・円安。週の初めに108.13円というドルの年初来安値を記録するも、その後は底堅く、週末には109円台半ばまで戻し、そのままドルの高値圏でNYを大引け越週している。
週明け17日は108.60-70円で寄り付いたものの、前週末の流れを継ぎ、ドル売り・円買いが優勢。その日の東京時間に108.13円という週間安値だけでなく、今年の年初来ドル安値を記録している。しかし、その後はドルがむしろ底堅く、翌18日には109円台を回復するなど急激な上昇をみせた。背景には、有力欧米紙であるフィナンシャル・タイムズ(FT)で、ムニューシン米財務長官が「長期的に見て強いドルは良いことだ」と発言したことが好感された面もあったという。
週の半ば以降は、ドルの買い戻しも一服すると、やや揉み合いの傾向が強くなり、109円を挟み上下50ポイント程度のレンジ取引で明確な方向性はなし。結局、109.10円レベルで週末NYの取引を終了している。
なお、1週間を通してニュースや材料も色々とあったが、そのなかでも注目を集めていたものは大きく2つ。ひとつは、引き続き北朝鮮ファクターで、スパイサー米大統領報道官が記者会見において、北朝鮮の一連の挑発行動に対し「トランプ大統領は『レッドライン(越えてはならない一線)』を引かない」と発言したこともあり、マーケットの警戒感はさらに高まったものの、具体的な行動はなく、関心は徐々に終息した。
また、ペンス米副大統領が来日して行われた18日の「日米経済対話」ならびに20日の「G20財務相・中銀総裁会議」も事前の関心は高く波乱要因とみられたものの、終わってみればともに新味に乏しく期待外れの感。こちらも、市場への影響は限られたものに留まっている。
<< 今週の見通し >>
昨23日に実施されたフランス大統領選の結果を受けて、週明けのオセアニア市場から為替市場は大荒れ。さすがにユーロを中心とした動意ながら、ドル/円も下方向に大きなギャップを空け、110円台に乗せたレベルで推移している。
正直、今週のポイントは、新たに形成しつつある感のあった「108-110円レンジの脱却」と考えていたのだが、早くもその目論見は崩れた。とは言え、通常であれば、空けたギャップは「いつか必ず埋める」もの。少なからず、一度は109円前後まで回帰するのではなかろうか。明確な方向性はいまだ乏しい気がしている。
テクニカルには、本日の早朝に回復した110円レベルをめぐる攻防にまずは注視。再びドルのサポートとして寄与するようだと、週足・一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する111.20円レベルなどを目指し、続伸する可能性もある。
対するドル安方向は、先週の市場を見ると移動平均の200日線(108.80-85円)や52週線(108.25-30円)に絡む局面も少なくないものの、ここまでクリアには割り込めず。一抹の底堅さも醸しているような状況だ。ドルの下値については、今週もそれらならびに108.13円の年初来安値をめぐる攻防に要注意。
一方、材料的には幾つか興味深いものがあるなか、とくにとなると25日の北朝鮮・朝鮮人民軍創建85周年、28日の米国暫定予算期限、相次ぎ発表される日米企業の決算内容−−に注目したい。なかでも、北朝鮮情勢については、25日を前後してミサイル再発射など軍備行動に打って出るとの指摘も少なくなく、日本が巻き込まれる危険性についても取り沙汰されている。予断は許さない。材料的には、ややドル安・円高が有利か!?
そんな今週のドル/円予想レンジは、108.10-111.20円。ドル高・円安については、足もと110円を超えており、3月のドル高値115.51円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しにあたる110.95円、そして週足・一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する111.20円レベルが次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、ごく短期的に見た場合、前述したように110円をめぐる攻防に注目。割り込むようだと、今回のギャップの起点である109.00-10円レベルや移動平均の200日線などが意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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