前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 111.27 111.59 110.13 111.10
ユーロ円 118.72 119.05 117.31 117.66
ユーロドル 1.0669 1.0689 1.0581 1.0591
日経平均 18988.00 19068.62 18517.43 18664.63
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
4月3日(月)
期末に円高に動いた余波と週末の通商面での大統領令に嫌気して、東京市場ではドル円の上値が重たい展開となりました。ただ、111円台前半を積極的に売る向きも無くNY市場まではもみあいのまま。NY市場では前場からダウが大きく下げたことからドル円、クロス円でリスクオフの円買いが目立ち、ドル円は110.86レベルまで水準を切り下げ安値引け。ユーロ円も118.13レベルの安値を付けた後に若干の戻しは入ったものの円高トレンドを継続しての引けとなりました。
4月4日(火)
東京市場では弱い株価の動きも手伝って先週末からの円買いの動きを継続しました。欧州市場に移ってからも円買いは収まらず、ドル円が110.27レベル、ユーロ円も117.44レベルの安値をつけました。しかし、今回も110円の大台を前にドル買いが見えたこと、そしてNY市場に入りNYダウが反発する動きを見せたことから買い戻しが強まり、ドル円、ユーロ円ともに東京朝方の水準にほぼ行って来いでの引けとなりました。
4月5日(水)
東京前場は株安とともに円買いの動きが先行、昼過ぎには110円台半ばまで水準を下げましたが、後場以降は株価も回復したことから買い戻しが目立つ展開。欧州市場に移ってからは米金利の上昇、NY市場では朝方に発表されたADP全国雇用者数が強い数字となったことでリスクオンンの動きとなりました。NYダウも先週の高値を超える動きとなり、FOMC議事録発表前にはドル円が111.45レベル、ユーロ円も118.79レベルの高値を付けました。しかし、FOMC議事録には株高を懸念する内容が含まれていたことから引けにかけてダウが急落、同時にドル円も110.54レベルまで急速に値を下げ、荒っぽい引けとなりました。
4月6日(木)
東京市場では株価は下げたもののドル円は110円台半ばで全く動意の無い展開を続け、そのまま欧州市場入りとなりました。雇用統計や米中首脳会談を前にしてあまり注目はされていなかったのですが、序盤にドラギ総裁の発言があり、思った以上にハト派スタンスを示したことからユーロが急落、ドル円でもドル買いのきっかけとなりました。ユーロは急速に値を戻し下げる前の水準まで一度は戻しましたが、その後はNYの引けまでじり安の展開、今週の安値圏に押しての引けとなりました。ドル円もじり高となり111円台に乗せたものの、戻り売りも根強く引き続き上下ともオーダーが入っている様子を伺わせました。
4月7日(金)
東京市場では、米軍がシリアを空爆したとのニュースに株式市場が大幅安となり、リスクオフの動きから為替市場では円買いの動きとなりました。一時110.13レベルまで売られたものの110円の大台は厚く今回もトライできず、その後は雇用統計を前にじり高で数字待ちとなりました。雇用統計ではNFPが予想以上に弱い数字となりドル売り、110.13レベルと再び大台をトライする動きとなったものの金曜2度目のトライも失敗。その後は週末前のショートカバーでドル円は111円台に乗せての引け、ユーロドルも1.05台に下げ、ドルが強い地合いでの週末クローズとなりました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2017年FOMCメンバー(ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ミネアポリス、ダラス)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
4月10日(月)
08:50 本邦2月貿易収支
09:00 黒田日銀総裁挨拶
12:05 (セントルイス連銀総裁講演)
23:00 米国3月労働市場情勢指数
29:00 イエレンFRB議長講演
4月11日(火)
10:30 豪州3月NAB企業景況感
17:30 英国3月CPI、PPI
18:00 ドイツ4月ZEW景気期待指数
18:00 ユーロ圏4月ZEW景気期待指数
20:00 南ア2月製造業生産
26:45 ミネアポリス連銀総裁講演
4月12日(水)
10:30 中国3月CPI、PPI
17:30 英国3月失業率
20:00 南ア2月小売売上高
21:30 米国3月輸入物価指数
23:00 カナダ中銀政策金利発表
23:30 米国週間原油在庫
27:00 FOMC(3月15日)議事録公表
4月13日(木)
07:30 NZ3月企業景況感
10:30 豪州3月失業率
10:30 豪中銀金融安定化報告公表
15:00 ドイツ3月CPI確報値
**:** 本日より米銀決算発表続く
21:30 米国新規失業保険申請件数
21:30 米国3月PPI
23:00 米国4月ミシガン大消費者信頼感速報値
4月14日(金)
**:** 東京を除く主要市場休場(グッドフライデー)
21:30 米国3月CPI
21:30 米国3月小売売上高
23:00 米国2月企業在庫
4月16日(日)
**:** トルコ憲法改正の国民投票
今週の週間見通し
一週間終わってみると110円台前半から111円台前半を中心に思いのほか狭い値幅での取引に終始していますが、日中の動きはそれなりにあって金曜などは延べの動きで考えると何円にもなるといった感じで、結構疲れる週となりました。
大きな材料としては、米軍のシリア空爆、弱い雇用統計、米中首脳会談(通商面)、とどれも円相場にとっては円買い材料となるものばかりですが、先週もこれまでと同じく110円の大台を目前にして、ことごとくトライに失敗することとなりました。この異常なまでの底堅さは、大台には実際に大きな買いがあることにもよりますが、それ以上に本邦個人投資家の下がったところでは常に買い下がるという売買スタンスが影響大であると見ています。
この話は先月の日経新聞でも記事になりました(3月23日Web版)が、その時点よりも円高は進んでいるので、逆に引き続き買い下がりの注文が個人投資家から出ていると想像できますし、大きくは3月高値から5円程度の円高進行であることを考えると、ストップオーダーが出るには、まだ距離があるというところなのだと思います。更にこうした動きが見えているFX業者のカバー先であるインターバンク勢もその動きに乗っている様子で、諸々の参加者の取引が110円の大台を鉄板サポートとしていると言えるでしょう。
しかし、個人的にはどうもこうした動きには懐疑的にならざるを得ず、ドル円もクロス円も買われたところではカウンターで売りから入る方向を考えてしまいます。クロス円を例に挙げるならば、主要通貨ではブレグジット要因も重なってポンド円はじり安となっていますし、本邦投資家に人気のあるランド円ではFX羅針盤でも適宜コラムを更新していますが、大幅安の展開となっています。
ポジションが積み上がった時の逆方向の動き(現状で言うならば円高)は加速しやすいこと、また110円の大台手前は買いがいても割り込むとオプション絡みのストップが出て来るであろうこと、また長期に渡ってもみあいが続くことは過去の相場を見てもありませんので、どこかで円高のトレンドが出る可能性は常に意識しておきたいところです。
さて今週ですが、一連のイベントも終わり更に今週末は欧米でイースター休暇に入ることもあり、積極的には動きにくい週となります。いっぽうで、日柄的には本日から一週間は上下に振れやすいボラティリティの高まる時間帯となっていますので、引き続きニュースや先週のドラギ総裁のハト派コメントのように金融当局者の発言にも注意が必要でしょう。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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