<<東京市場の動き>>
週明け10日の東京市場は、ややドル高・円安。ただ、値動きはそれほど大きなものではなく、60ポイントほどのレンジに留まった。
先週末のNY終値よりも若干円高である111円前後で取引を開始。しかし、その後はドルが巻き戻すと、一時111円半ばへ。日経平均株価が先週末比135円高で寄り付き、さらに上値を拡大させたことが好感されたうえ、米長期金利の上昇やゴトー日(5・10日)仲値不足観測など需給要因もドル買い・円売りを後押ししていたという。
しかし、ドル高は続かず、仲値決定前後を日中の高値にじりじりと軟化。目立った材料も聞かれないなか、夕方には111.30円を割り込むと、16時時点では110.25-30円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、途中でブラード・セントルイス連銀総裁から「年内はあと1度の利上げが必要な可能性」「FRBの政策金利は比較的低水準にとどまることが可能」などといった発言が聞かれたものの、影響は限られた。
<<欧米市場の見通し >>
値動きそのものは決してないわけではないのだが、結果としてレンジを抜け切れない状況が続いている。つまり、形成している110-112円といったボックス圏をどちらに抜けていくのか、その見極めが今週の相場動静をみるポイントのひとつと考えられるものの、如何せん現在までのところいまだ方向性はハッキリしない。111円台を中心としたレンジ取引がまだ続く可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドルの上値も重そうだが、日足のローソク足をみると、3月31日あたりを中心にシンメトリー(左右対称形)となっている感もうかがえる。この見方が確かならば、ドルはそれほど遠くないタイミングで前述した3月31日高値の112.21円を超えていくだけでなく、さらに上値を伸ばす展開が予想されよう。まずは、再び112円台に乗せることが出来るのかどうか、そして112.21円をめぐる攻防が注視されそうだ。
一方、材料的に注視されているのは、発表される米経済指標とイエレンFRB議長による講演か。とくに、後者については、先週末の米雇用統計や地政学リスクの高まりを受け、利上げスケジュールに何らかの変更、そのあたりが発言に盛り込まれるのかどうかを気にしている参加者が多くなっている。
また、シリア情勢などをめぐり各国政府による不協和音が取り沙汰されるなか11日までイタリアで開催されるG7外相会合、ジョンソン英外相とラブロフ露外相の会談なども一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.80-112.00円。ドル高・円安方向については、本日の東京高値である111.60円前後が弱い抵抗にあたり、まずはその攻防が注視されている。抜ければ112円や前回高値112.21円がターゲットに。
対するドル安・円安方向は、111円レベルが弱いサポートとなるものの、割り込むと110円まで目立ったフシはなし。底堅いイメージはあるが、本格的に下がったら、そのスピードは意外に速いかもしれない。(了)
オーダー/ポジション状況
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