米中会談動向と雇用統計から次の展開へ(4/7)

4月5日夜のADP民間雇用報告が予想を大幅に上回ったことから111円台半ばに戻したが、

米中会談動向と雇用統計から次の展開へ(4/7)

<概況>

4月5日夜のADP民間雇用報告が予想を大幅に上回ったことから111円台半ばに戻したが、6日未明のFOMC議事録公開からは内容を「ハト派」(追加利上げや資産圧縮に対する前のめり感が薄い)として110円台序盤まで下落、4日夜安値、3月28日安値に迫った。
6日夜にかけては新たな底割れを回避したことによりひとまず突っ込み警戒感優先での買い戻しから反発し、深夜には111円台を一時的に回復したが、維持できずに終わっている。
7日未明から始まった米中首脳会談の行方、7日夜の米労働省雇用統計発表も控えているため、さらに戻りを継続するには材料不足という状況のようだ。

【米雇用統計】

7日夜には労働省雇用統計がある。前哨戦となるADP民間雇用報告では非農業部門就業者数は2月が+29.8万人から+24.5万人へ若干下方修正されたが、3月は市場予想の+18.5万人を上回る+26.3万人となった。7日夜の労働省雇用統計は2月が+23.5万人で、3月予想は+18.0万人となっているが、ADPを踏まえると予想を上回ってくる可能性もある。
米連銀の追加利上げについては6月会合で決定される可能性について五分五分とみられているが、労働省統計がかなり強い場合には6月利上げの可能性が高まるため、ドル高円安要因となりやすい。ただ、予想を若干上回る程度の場合はADPで既に反応したことも踏まえて限定的な動きに留まるかもしれない。逆に、時々あることだが、ADPがかなり良かったのに労働省統計が逆に予想を下回る場合にはドルにとっての弱気サプライズとなり、円高が加速する可能性があるという事にも注意したい。

米雇用統計、FOMC政策発表等の重要イベントにおいて、発表当初に下落しても早々に反発し、発表前水準を上回ってくる場合は材料消化からの上昇開始となるケースが多い。逆にいったん上昇反応しても発表前水準を割り込んで終了の場合は下落基調へ進みやすくなる。
発表から大幅上昇し、翌朝にかけて高値圏を維持する場合は週明けへの続伸、さらに翌米国市場時間での一段高となりやすい。逆に大幅下落したまま終了の場合は週明けもさらに続落しやすい。

【米中首脳会談】

トランプ大統領の別荘にて米中首脳会談が始まった。現地7日まで、北朝鮮問題や米中貿易不均衡問題について協議される模様。
会談に先駆けてトランプ大統領は「中国は北朝鮮への圧力を強化すると思う」と述べ、また「米国だけでも北朝鮮に対処するか」との質問に対して「必ずやる」と述べた。中国との貿易不均衡に関しては「われわれは不公平に扱われ、中国とひどい貿易取引を何年も続けてきた」と述べた。
今のところ、日米首脳会談で行われた親密なゴルフという予定はないが、トランプ大統領が習氏を笑顔と握手で出迎えたと報道されている。
会談途中、会談後に親密さをアピールする散歩、和やかな談笑等を見せればさほどギスギスした状況ではないという印象を与えるだろうが、そうした動きもなければかなり対立的な話がされている可能性も警戒されることとなると思う。
米中会談の結果、それに対する反応は週明けからと思われるが、リスク回避的な動きになるのか、楽観的なリスクオンへと進めるのか、それによってはドル円も大きく動く可能性がある。

【ECBの金融政策】
欧州中央銀行(ECB)が3月9日の定例理事会議事要旨を公開した。
「フォワードガイダンス」の表現の修正について、利下げの可能性を排除するような表現の修正は時期尚早とした。デフレリスクはおおむね解消したとの認識で一致したが、景気や物価見通しにはかなり不透明感が残っているとし、今後も利下げの可能性を示唆する「より低い水準」との表現を削除するのは時期尚早とされた。

ECBが金融緩和の出口戦略へ動き始めたのではないかとの見方を背景に、この理事会以降はユーロが上昇してきたが、3月28日からは過剰反応だったとして反落している。議事録公開内容はこの反落を後押しするものと思われる。
ユーロ円は3月13日の戻り高値から下落し、ユーロドル安も加わって2月24日安値を割り込んできているが、ユーロ安がさらに進むようだとユーロ安円高により、ドル円にとっても円高を助長する要因となってくることが考えられる。

【60分足一目均衡表分析】

6日午前への下落で4日安値、3月27日安値割れを回避し、6日深夜には111円台を回復するところまで戻した。
底割れ回避により現状は戻り高値を試しているところと思われる。
7日9時45分点では、先行スパンをわずかに上回り、遅行スパンも好転しているため、戻り高値を試している状況。

(1) 3月31日高値に対して4月6日未明高値は切り下がっており、この両高値を結ぶ抵抗線を突破する場合には6日未明高値を試す上昇入りが考えられる。さらに6日未明高値を上抜く場合、4月4日夜安値と6日午前安値をダブル底とした上昇として3月31日高値試しまで上値目処が切り上がる可能性がある。
(2) 31日高値と6日未明高値を結ぶ抵抗線は111.10円から111.20円にかけての間で右肩下がりとなっているので、111.20円超えからは抵抗線突破による6日未明高値試しを想定する。ただし、米中会談、夜の米雇用統計も踏まえて高値更新へ向かうには時期尚早と思われる。
(3) 60分足の26本基準線がある110.70円を割り込む場合は下落再開注意として110.20円台への下落を想定するが、さらに110円割れへ進むのは米中会談、雇用統計を見てからとなるのではないかと思われる。

【60分足一目均衡表分析】

(4) 3月27日以降、何度も110円割れを回避してきたため、3月27日安値割れ回避の内は3月27日安値と4月4日安値ないしは7日夜にかけての安値をダブル底とした上昇へ進む可能性がある。そのためには3月31日高値を上抜く必要があり、高値更新できない内は110円から112円前後までのボックス相場に止まり、下放れへ向かう可能性が残る。
(5) 3月27日安値割れ、110円割れの場合、4月6日未明への戻り幅の倍返しで109円台序盤試し、3月31日への戻り幅の倍返しで108円試しへ向かう可能性が考えられる。

7日夜、週明けへの展開で次の方向性が見えてくると思われるので、その流れに追従するスタンスで構えてゆきたいところだ。 (了)<9:45執筆>

【今日から明日への主要イベント】

4月7日  米中首脳会談(フロリダ州パームビーチ)
4月7日 (欧) ユーロ圏財務相会合(〜8日)
4月7日 (米) 21:30 米3月非農業部門雇用者数  予想 +17.4万人、前月 +23.5万人
4月7日 (米) 21:30 米3月失業率  予想 4.7%、前月 4.7%
4月7日 (米) 21:30 米3月平均時給伸び率  予想 0.3%、前月 0.20%

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