<< 先週の回顧 >>
先週のドル/円相場は、ややドル高・円安。週初はドルが売られやすく、一時110円割れをうかがう様相を呈したものの続かず、反発すると週末の東京時間にかけては112円台まで値を上げる局面も観測されている。
前週末のNY終値111.30円前後に対し、この週の東京は110.80円台と、上方向に「ギャップ(窓)」を空けて寄り付いた。時間外で取引されている米株が大きく下落したことなどが嫌気されたためで、その後も緩やかなドル売り・円買いが続くとドルは110.11円の週間安値を記録している。
しかし、その後はジワリとドルの買い戻しが優勢に。3月期末の最終日に当たる31日の東京時間には本邦勢による仲値不足観測などもあり112.21円の高値を記録したが、定着には至らず。週末のNYクローズは111円台前半、ドルはやや軟化して取引を終えている。
1週間を通して幾つかニュースがあったものの、相場にもっとも影響を与えたものは、米通貨当局者の発言か。例えば、エバンス・シカゴ連銀総裁やローゼングレン・ボストン連銀総裁、ダドリーNY連銀総裁、ブラード・セントルイス連銀総裁などが相次ぎ追加利上げの可能性に言及したことが、110.11円を示現後のドル反発に寄与していたことは間違いない。
ただ、一方で週末のNY時間にはロス米商務長官やトランプ米大統領から、米国の貿易赤字に対するコメントが聞かれ、日本についても為替を含めて強硬姿勢に出るなどと懸念されたことで、ドルは高値112円台から111円台へと軟落した。
<< 今週の見通し >>
今週は、先週の110-112円というレンジをどちらに放れるのか、次の方向性を探るうえで重要な1週間となりそうだ。
米金融政策や名実ともに新年度入りしたことにともなう本邦勢の外債投資増加思惑など需給要因からすればドル高有利と言えそうだが、週末6-7日に予定されている米中首脳会談を控えるなか米貿易赤字がクローズアップされ、政治ファクターに市場の関心が集まるようだと逆にドル安が進行しても不思議はない。また、欧州にはびこる政治不安も、リスク回避に繋がり円が買われる可能性がある。
なお、具体的な材料としては、週初3日にダドリーNY連銀総裁の講演が予定されているなど、先週同様に今週も米通貨当局者の講演が多く、まずは発言に要注意。そのほかでは、3日に日本の日銀短観、4日には2月の貿易収支、7日の3月雇用統計など注目の米経済指標が発表される予定だ。
テクニカルには、週足・一目均衡表において111.20円レベルに位置する雲の上限を、またまた週末NYクローズで維持した格好にある。そのため、ドルのセンチメントが明確に弱いとは言えないのだが、移動平均ではドルのサポートとして寄与してきた26週線(111.75-80円)を下回ってきたことが気掛かり。
26週線や先週高値にほぼ合致するフィボナッチの観点で見た次の抵抗112.20円がしっかりと上値をキャップするようだと、再び110円割れを試す展開が予想される反面、111円前後などで底堅さを確認されれば、前記した抵抗を一気に上抜いていくような展開も否定できない。
そんな今週のドル/円予想レンジは、110.00-112.80円。ドル高・円安については、先週記録したドルの高値でもあり、3月高値115.51円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しに当たる112.20円の攻防にまずは注意を払いたい。抜ければ113円台回復の芽も出てくるだろう。
対するドル安・円安方向は、111円前後に弱いサポートがあるものの、抜ければドルの強いサポートである110円前後まで目立ったフシはうかがえない。再び下値波乱含みの様相も。
オーダー/ポジション状況
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