東京市場の動き
21日の東京市場は、ドル買い・円売り優勢。112.27円レベルを日中安値に、一時112.80円台まで値を上げ、そのままドルの高値圏で欧米時間を迎えている。
112.50円レベルで寄り付いたあと、早い時間帯に112.20円台まで軟化。時間外取引で米金利が急低下したことが嫌気され、ドル売りの原因となっていた。
しかし、日中安値を記録後切り返すと、一転ドル高・円安に。先の米金利が下げ止まったことに加え、寄り付きなどでは3ケタ台の下げ幅となっていた日経平均株価が徐々に下げ幅を縮小させたことなどが材料となり、ドル/円は一時112.80円台まで値を上げている。そのあと終盤にかけてはやや緩んだものの、大きく崩れることはなく、16時時点では112.65-70円での推移に。
なお、そうしたなかフランス大統領選の討論会を受けて、極左候補であるルペン氏のリードが後退したと観測から、ユーロは対ドル中心に大きく値を上げ、対円でも小高い。東京市場では珍しくユーロが相場の主役となっていた。
欧米市場の見通し
このあとの欧米時間も、基本的にはレンジ内での小動きが予想されている。112円台を中心とした一進一退が続きそうだ。
テクニカルには、ドルのサポートである112.60円レベルを前日のNY市場に続き、東京市場でも一度下回ったことで、下方向のリスクがさらに拡大した感もある。その場合、次の下値メドは2月28日安値111.69円とみられたものの、結果的に112円を割り込まず小反発に転じたことで、逆に底堅いイメージが台頭したとの見方も聞かれていた。
先週末のNY時間に割り込んで以来推移している112円台は、なかなか居心地がよく、いましばらくは112円台を中心とした揉み合いを続けるのかもしれない。
一方、材料的に本日注視されているのは、発表される10-12月期の米経常収支と、ダドリーNY連銀総裁の討論会出席もジョージ・カンザスシティ連銀総裁による講演などになる。米地区連銀総裁の言動が注目されているのは米利上げへの関心が高いためだが、意外に前者の内容が要注意という気がしている。
と言うのも、今回の指標で米経常赤字の高止まりが確認されれば、改めて米トランプ政権による保護主義への傾斜が懸念される可能性もあるからだ。そして、延いては潜在的なドル安圧力の材料になる危険性も孕んでいる。ちなみに、米経常赤字は前回7-9月期が1130億ドルであるのに対し、今回は1290億ドル程度と予想されているが、予想値より拡大するようだと相場の波乱要因となる可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.20-113.20円。ドル高・円安方向については、前述したように先週NYで割り込んで以来、一度も超えたことのない113円レベルが最初の抵抗か。抜けても、113円半ばにかけ、幾つかのテクニカルポイントが位置することもあり、上値は重そうだ。
対するドル安・円安方向は、本日東京安値の112.27円レベルがまずはサポートに。割り込めば112円や111.60円レベルなどがターゲットとなる。(了)
オーダー/ポジション状況
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