アジア市場の動き
週明け20日のアジア市場は、30ポイントほどの狭いレンジ内で揉み合い。先週末のNYクローズに近い112.65円レベルで寄り付いたものの、同レベルを挟んだ上下15ポイント程度のボックス圏における一進一退に終始し、明確な方向性はうかがえなかった。
先週末に終了した注目材料のひとつであったG20財務相・中銀総裁会議は、為替について、「通貨安競争を回避する」「過度の変動や無秩序な動きは金融・経済に悪影響を及ぼす」としたG20合意を再確認した内容に留まったことで、週明けの金融市場は懸念された波乱もなく平穏のままオープン。
その後は、新規材料に欠けるうえ、東京市場が休場ということで商いは薄く、売買も総じて手控えられた。朝鮮中央通信が前日に報じた、「北朝鮮が新型ロケットエンジンの燃焼実験に成功」とのニュースや、安倍首相の訪欧を警戒する声も聞かれたが、特段目新しい内容が出なかったこともあり、ドル/円だけでなく、クロスなど通貨ペア全般ともに値幅は限定的。狭いレンジ内で静かな値動きに終始すると、16時時点では112.70円前後、取引開始レートに近いレベルでの推移となっている。
欧米市場の見通し
このあとの欧米時間も、引き続きレンジ内での小動きが予想されている。ロンドンやフランクフルト、NYなどの市場はオープンしているため、東京が休場だったアジアよりさすがに値幅はありそうだが、それでも基本的には112円台を中心とした一進一退が続きそうだ。
テクニカルには、本日のアジア市場で、2月28日安値111.69円を起点とした上げ幅の76.4%押しにあたる112.60円レベルをザラ場ベースで一時割り込んできた。先週末のNY市場同様に、まだ「しっかり」と割り込んだわけではないが、ドルの下値リスクが拡大している感を否めない。112.60円レベルならびに、心理的なサポートである112円レベルも下回れば、前述した111.69円や2月安値の111.59円などが視界内に捉えられかねないだろう。
一方、材料的に本日注視されているのは、発表される2月のシカゴ連銀全米活動指数と、エバンス・シカゴ連銀総裁による講演になる。前者はともかく、後者についてはそれほど弱めのトーンが発せられる公算は低いと見られており、そうした意味ではドルの下支え要因か。
ただ、先週の流れからすると、ドルの下値リスクが高まっていることで、何かのキッカケがあれば再び下値を試す展開をたどっても不思議はないかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.10-113.30円。ドル高・円安方向については、移動平均や一目均衡表などを含めて、上方向にテクニカルポイントは数多く存在し、一朝一夕に抜けていくような雰囲気は感じられない。113円レベルの攻防が一つのポイントだが、抜けても113円半ばは「近くて遠い」存在である気がしている。
対するドル安・円安方向は、しっかりと割り込むことのできない112.60円レベルの攻防がまずは要注意。割り込むようだと、112円や111.60円レベルなどがターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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