G20通商分野で協調後退するも為替は変わらず
注目されたドイツ、バーデンバーデンでのG20財務相・中央銀行総裁会議が終了、共同声明が発表されましたが、通商分野では自国の貿易の「不公正」による不利益を強硬に主張するアメリカと従来の枠組みの維持を望むそれ以外の国の実質1対19の対立に妥協案を見出せず、アメリカの主張した「自由で公正な貿易」との文言が採用されなかった代わりに前回までの「あらゆる形態の保護主義に対抗する」との文言が削除され、この部分の内容が実質的盛り込まれない形となりました。
一方で為替に関する部分は従来のG20を踏襲、米国の「通貨安競争の懸念」の主張も通商分野ほど強硬ではなく「我々は、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得ることを再確認する。我々は、為替市場に関して緊密に協議する。我々は、通貨の競争的な切り下げを回避することや競争力のために為替レートを目標とはしないことを含む、我々の以前の為替相場のコミットメントを再確認する。」(財務省仮訳)と一言一句変わらない文言で決着しています。
前週末の海外市場ではFOMC後の米長期金利低下の余波とG20への警戒感からドル円は東京時間より更に30銭ほど下げ112.70で越週しています。
これで先週の木曜以来続いた一連のイベントはすべて終了、いずれも事前の警戒感とは裏腹に金融市場へのインパクトという意味ではハリボテに過ぎず、無難に通過した形となりました。
一方でトランプ大統領就任以降急速に進んだ株価の上昇を中心とする「トランプラリー」を再開するには、予算教書が骨組みのみで終わったこともあり、米国サイドからの新規支援材料不足。ドル円も週末海外市場の下落でチャート的に一目均衡表の雲の下に定着、主要な移動平均線等も113円半ばから115円前半に集中しており、上値は重そうです。
オーダー/ポジション状況
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