東京市場の動き
3日の東京市場は、ややドル安・円高の展開。週末らしく、ポジション調整が先行する動きとなったが、新規材料が乏しかったこともあり、変動そのものは限定的だった。わずか40ポイントほどと、小幅な円高進行に留まっている。
米株が大引けにかけて下げ幅を拡大したことを嫌気した前日NY終盤の流れを継ぎ、114.40円台で取引が始まったあとも、ドルはじり安推移。前日比13円安で寄り付いた日経平均株価がさらに下げ幅を広げ、一時150円を超える下落をたどったことなども嫌気され、ドル/円は114円割れをうかがう様相となった。
結局、114円割れは回避されるも戻りは鈍く、その後は114円台前半での一進一退に。発言や経済指標の発表などで目立った大きな材料がないなか、週末そして次の材料をにらんだポジション調整と思しき散発的な円買いが観測されており、やや下値が不安定な状況が続いている。16時時点では114.10-15円レベルと終日を通したドル安値圏での値動き。
欧米市場の見通し
このあとの欧米時間は、引き続き米要人の発言により思惑が交錯、一喜一憂する展開となりそうだ。
基本的には、先日のトランプ米大統領の演説において為替に関する言及がなかったことや、ここ最近発表される米経済指標は総じて良好であることなどがドルの支援要因。ただ、本日は2月のISM非製造業総合指数といった重要な米経済指標が発表されるうえ、FRBの正副議長による講演や複数の地区連銀総裁による討論会などが予定されており、こちらがとくに波乱含みか。
今週に入って以降、複数のFRB関係者から3月利上げを含む早期利上げを示唆する発言、それも「ハト派」に分類される地区連銀総裁からも早期利上げ容認ととらえられるコメントが聞かれている。予断は許さないが、本日の正副FRB議長についても、基本的には同様の内容が示されると推察され、ドルの下値を支えそう。
むしろ、昨日の欧米市場終盤から小幅ではあるが調整が進み、ポジションが整理され、幾らか軽くなっていることで、発言内容次第でドルは再び上値を試す可能性も取り沙汰されている。
なお、そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.80-115.10円。基本的なリスクはドル高・円安方向にバイアスがかかるものの、一目均衡表の先行帯の雲の上限(114.80-85円)や2月高値の114.95円などでは一度上げ止まりそう。115円台をクリアに抜けていくイメージには正直乏しい。
対するドル安・円安方向も、買い遅れ筋のビッドが厚く、東京時間に割り込めなかった114円レベルが最初のサポートに。仮に割り込んだとしても113円台前半から後半かけて、一目均衡表の先行帯の雲の下限をはじめ、複数のチャートにおけるサポートラインが位置するだけに、大崩れはせずに底堅い値動きをたどりそうだ。(了)
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