東京市場の動き
3月に入って最初の取引となった1日の東京市場はドル高・円安の展開。それもトータルで1円近いドル高・円安が進行するなど、ドルの強さならびに円の弱さが際立っている。
前日NY終盤の流れを継ぎ、112.80円前後で取引が始まったあとも、ドルはしっかり。113円台を回復して、午前11ごろのトランプ米大統領の演説待ちとなった。注目の演説中は、一時ドル売り・円買いが優勢となる局面も見られ、113円を割り込むも底堅く、終了後は再びドル買い・円売りの動きが強まると113.60円台まで上伸している。16時時点では、目先高値から若干緩み、113.50円前後での推移に。
なお、注目されたトランプ大統領の演説については、減税策などでの具体策は示されず新味は乏しかったものの、先行き政策期待は一応持続され失望を抱かせるほどの内容ではなかったとの評価が多い。参加者からは、少なくともドル売り材料ではない、などとする声も聞かれており、実際、演説終了後は前述したように、むしろドル買い・円売りの支援要因となった感を否めない。
欧米市場の見通し
このあとの欧米時間は、東京時間に進行したドル高・円安の流れを見極める展開が予想されている。トランプ米大統領の演説は、一部で懸念されていた貿易問題と絡めた為替相場への言及などがなく、マーケットではドル買い安心が再び台頭してきた。
需給面では、ドルの上値も重そうだが、実需筋などのオファーをどこまでこなし、上昇できるのかがポイントとなろう。113.80円レベルのレジスタンスを抜ければ、2月16日以来の114円台回復も見えてくる。
材料的には、本日も1月PCEデフレーターや2月のISM製造業景況指数など、発表される米経済指標に注意を払いたい。ただ、別途予定されているカプラン・ダラス連銀総裁の講演ならびに、米地区連銀経済報告(ベージュブック)公表はさらに要注意か。
ベージュブックについては、次回FOMCの判断材料になりそうで、インフレ警戒の高まり度合いやドル高への言及などが示される可能性もある。一方、ダラス連銀総裁の講演は、一昨日、昨日と2日続けて米地区連銀総裁発言がドル高・円安の後押しとなったという実績があるだけに油断は禁物だろう。本日もタカ派発言が示されるようだと、114円突破に向けたドル高トリガーとなる危険性もないではない。
なお、そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.80-114.50円。ドル高・円安方向については、113.80円レベルが次の上値メドであり攻防が注視されるが、抜ければ114.20-25円に位置する移動平均の75日線がターゲットに。その上となると、一目均衡表の先行帯の雲の上限(114.80-85円)がポイントとなろう。対するドル安・円安方向は、本日の東京時間に上抜けてきた移動平均の25日線(113.15-20円)などがまずはサポートになると予想され、仮に割り込んでもドルは底堅いイメージだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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