ドル円:2月24日のファンダメンタル分析
テーマ:ムニューシン米財務長官のTVインタビューに昨日はドル売り、米金利低下で反応。
ムニューシン米財務長官は昨夜、CNBCのインタビューに答え
「税制改革は重要で最優先課題」とした上で
「米議会は8月休会前に税制改革法案を可決する事が望ましいが難しい」と述べました。
トランプ大統領は3月上旬までに「驚くべき税制改革案」を公表すると先日述べ、これを好感して米株価は最高値を更新していますが、市場・投資家はその詳細が未だに示されていない事に、好感する地合いが後退しつつある中で、ムニューシン長官が税制改革について昨日も詳しい内容を述べなかった事で、その動きが加速、ドル円は昨日安値の112.55まで下落し112.70水準でNYを引けています。
米10年債利回りは2週間ぶりの2.30%台へ低下、2.38%で引けています。
このインタビューの中で加えて注目すべき点があります。
「米成長率は2016年の1.6%から2018年終盤までには3%を上回る水準に加速」との見通しを示すとともに「税制改革や規制緩和による成長押し上げ効果は来年まで本格化しない」との見通しも述べたポイントです。
暗にトランプ大統領の言う「驚くべき税制改革案」は米議会は8月休会前には承認されず、その成立が後ずれしてしまう可能性が高いと示唆しているのだと思われ、市場もそう判断してドル売り、米金利低下で反応したものと想定します。
ムニューシン米財務長官は22日付のWSJのインタビューでは、「長期的なドル高は好ましい、米国経済に対する信認の証拠」と述べ、同時に、「ドル高は短期的には良くない面もある」とも述べました。22日に市場はこれに対しては、ドル買いで反応しました。 しかし昨日の発言を含めて考えてみると、足元の市場のドル高は、市場がトランプ大統領の施策を好感してのものに過ぎず、期待された「驚くべき税制改革案」が中々成立しないのであれば、当初の好感の巻き戻しとなるわけです。その経緯で、「長期にわたり低金利を続ける可能性」との発言もなされたのでしょう。
ドル円:2月24日のテクニカル分析
ポイント:転換線と基準線が交差する中、113台割れ。
日足の一目均衡表の転換線と基準線が交差しています。これは大きな動きの起点となる可能性が高いポイントなのですが、昨日は安値112.55まで下押しの後112.65で引けています。転換線113.79、基準線113.61の下です。
22日には売り買い種々の材料がありましたが、最後はムニューシン米財務長官のドル高好感発言で、23日アジア時間もドル買い地合いでしたが、23日のムニューシン長官の発言はドル売りとして市場は反応しました。
ポイントはトランプ大統領が3月上旬までに「驚くべき税制改革案」を公表すると先日述べた事と判断します。113水準を維持する為には、市場・投資家の期待・織り込みの通り、近日中に詳細が発表される必要があります。
ムニューシン長官の示唆するように、その成立が大きく後ずれするのであれば、「3%成長が可能」発言自体はドル買いではあるものの、それを織り込むタイミングは今では早すぎるので、一旦は調整の下押し優先となるでしょう。
テクニカルには、日足の一目均衡表の転換線が昨日の113.35が本日113.79まで上昇して、ここ数日横ばい推移の基準線113.61と転換線の上抜け交差している点に注目です。大きな動きの起点となるケースが多いからです。
今日のポイントは、実勢値が112.70水準と以前先行スパン1と2の厚い領域の真ん中に位置しているので、この後の動きで方向性が出るかどうかに注目です。
上値方向を目指すには
1. 先ずは基準線、そして上昇中の転換線の回復が必要です。
2. 基準線を超えてくれば、高値更新の可能性が見えてきます。
その後は1月30日高値の114.95です。
下値目途は、
1.年初来安値2月7日の111.57です。
2.その下は、昨年11月の101.20から118.60までの上昇の50%下押しに当たる109.94です。
因みに同水準は先行スパン2の109.93でもあり、強い支持であると判断します。
連日述べております通り、今年は年間で見るとレンジであるとする見方に変わりはありません。
2月7日は111.57まで下押しし年初来安値となっていますが、1月3日の初来高値の118.60との間を意識して、112〜118、もしくはやや広げての110〜120と想定します。
つまり上昇しても118〜120、下押ししても110〜112が今年の限界とみています。
今日のレンジは、112.50~113.50と見ます。
オーダー/ポジション状況
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