前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 112.64 113.85 111.63 113.26
ユーロ円 121.46 121.50 119.33 120.51
ユーロドル 1.0783 1.0790 1.0608 1.0641
日経平均 19069.72 19395.99 18805.32 19378.93
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
2月6日(月)
ドル円は日米首脳会談に向けての警戒感に日経平均安の動きも重なって上値の重たい展開となりました。株価も米国株が底堅い一方で日本株は円高の動きから輸出関連を中心に弱く、為替と株と双方で足を引っ張り合いました。ユーロドルも上値が重くなってきましたが、フランスの大統領選においてフィヨン元首相のスキャンダルから不透明感が増して、ユーロ売りの材料とされました。ユーロドルは1.0706レベルまで下げた後にやや戻す動きとなりましたが、ユーロ円は120円を割り込み上値の重たいままで引けました。
2月7日(火)
ドル円は東京朝方に111.60レベルの安値を付けたものの、底堅い株価や短期筋の利食いにも支えられ底堅い値動きを続けました。いっぽうユーロドルは、フランス大統領選に対する懸念が続き早朝から各通貨に対して売り、欧州市場序盤には対ドルで1.0656レベル、対円で119.54レベルの安値を付けました。その後は自律反転で買い戻しも出ましたが、極右政党が台頭する欧州の政治イベントに対する思惑が、戻りを弱くしていました。ドル円はNY市場の前場にはいったん112.58レベルまで戻したものの、戻り売りも根強く失速しての引けとなりました。
2月8日(水)
ドル円は日米首脳会談を控えての円高懸念、ユーロドルはフランス大統領選とギリシャ問題が重石となる展開で、東京市場から欧州市場まで多少の調整を挟みながらも上値の重たい値動きを続けました。ドル円が111.63レベル、ユーロドルは1.0641レベルまで水準を切り下げましたが、NY市場に入り短期筋の利食いが入り、ドル円は112円台、ユーロドルも1.07台まで戻し、その後やや押しての引けとなりました。ユーロ円はドル円、ユーロ円ともに下げたことからNY市場で119.33レベルの安値を付けました。
2月9日(木)
東京市場では早朝に下押しに失敗し111円台後半で底固めの動きとなったこともあって、日米首脳会談を前に短期筋の利食いによる買い戻しが目立ちました。NY市場までじり高の展開が続き、112円台半ばでトランプ大統領が数週間以内に税制改革案を発表するとの発言に113円台乗せ。その後も底堅い動きとなり113.35レベルの高値を付けそのまま高値圏でのクローズ。いっぽうユーロドルはドルの動きとしてはドル円同様ではあるものの値幅は限定的で1.06台半ばへ押す程度に留まりました。結果としてユーロ円は120.79レベルの高値をつけ、こちらも高値圏で引けました。
2月10日(金)
東京市場では、前日のトランプ大統領による税制改革案の話がドル買い材料として継続、強い株式市場の動きも手伝って欧州市場序盤には113.85レベルの高値を付けました。その後は日米首脳会談を前にしたポジション調整の売りからじり安の展開を辿り、会談後の共同会見で大統領が通貨の切り下げには不満との発言に一時112.85レベルまで下押ししましたが、具体的には日米間で今後話をしていくとの内容に引けは113円台前半に戻しました。いっぽうユーロドルは終日上値の重たい展開を続け1.0608レベルまで下値を広げ、やや戻して引けました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2017年FOMCメンバー(ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ミネアポリス、ダラス)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
2月13日(月)
08:50 本邦10〜12月期GDP速報値
2月14日(火)
09:30 豪州1月NAB企業景況感
10:30 中国1月CPI、PPI
13:30 黒田日銀総裁講演
16:00 ドイツ10〜12月期GDP速報値
16:00 ドイツ1月CPI
18:00 イタリア10〜12月期GDP速報値
18:30 英国1月CPI、PPI
19:00 ドイツ2月ZEW景気期待指数
19:00 ユーロ圏2月ZEW景気期待指数
19:00 ユーロ圏10〜12月期GDP速報値
19:00 ギリシャ10〜12月期GDP速報値
22:30 米国1月PPI
22:50 (リッチモンド連銀総裁講演)
24:00 イエレンFRB議長上院議会証言
27:00 ダラス連銀総裁講演
27:15 (アトランタ連銀総裁講演)
2月15日(水)
16:00 トルコ11月失業率
17:00 南ア1月CPI
18:30 英国1月失業率
19:00 ユーロ圏12月貿易収支
20:00 南ア12月小売売上高
22:30 米国1月小売売上高
22:30 米国1月CPI
22:30 米国2月NY連銀製造業景況指数
23:15 米国1月鉱工業生産、設備稼働率
24:00 イエレンFRB議長下院議会証言
24:00 米国2月NAHB住宅市場指数
24:30 米国週間原油在庫
26:00 (ボストン連銀総裁講演)
26:45 フィラデルフィア連銀総裁講演
2月16日(木)
09:30 豪州1月失業率
21:30 ECB理事会(1月19日)議事要旨公表
22:30 米国新規失業保険申請件数
22:30 米国2月フィラデルフィア連銀製造業指数
22:30 米国1月住宅着工、建設許可件数
30:30 NZ1月企業景況感
2月17日(金)
18:00 ユーロ圏12月経常収支
18:30 英国1月小売売上高
24:00 米国1月景気先行指数
今週の週間見通し
注目の日米首脳会談では、トランプ大統領が通貨の切り下げには不満との発言に一時下押しする場面も見られましたが、具体的には麻生財務相とペンス副大統領とで今後話をしていくとの内容にいったんは円高懸念が引く結果となりました。当面は今月中にも発表される見通しの米国税制改革案に注目が移り、週明けの早朝市場では株高とドル高の動きが強まっています。
先週水曜に出た税制改革案を発表するとの発言にドル円は111.60/63で目先の底を付け反転上昇する動きとなっていますが、更に大きな動きとして年初来高値からの下げの動きが終わったとは言えません。少なくとも為替の話は継続して行われていくことを考えると少なくとも円安の材料ではあり得ず、いつ梯子を外されることになってもおかしくはありません。
現状ではドル買い材料は、米国のインフラ投資から来る株高の動き、そして短期的には税制改革案の内容に対する期待といった2つの材料が大きいものだと思います。いっぽうでドル売り材料は、どこかの時点で内容が出て来る可能性が高い日米間の為替の話です。先週も書いた通りで、米国にとって対日貿易赤字は規模は違うとは言え中国に次ぐ規模であり、赤字額を減らすために何らかの措置を取ってくる可能性が高いでしょう。
週末の首脳会談ではトランプ大統領が就任後としては初の顔合わせということである程度は穏やかな内容に留めておこうといったこともあるかもしれません。今後出て来る税制改革案と並行して為替も含めた通商政策も米国の政策の重要な柱ですから、そうした点で引き続きドル買い材料とドル売り材料とに挟まれて当面はレンジの中での値動きを続けやすいと考えられます。
日足チャートをご覧ください。
年初来高値からのドル安トレンドが継続しているのであれば、高値118.61から先週安値111.60までの半値戻しにあたる115.10、おおまかに115円という水準は依然として強いレジスタンスとなってくる水準と考えられます。もう少し手前では1月後半の戻り高値115.62と115.38を結んだレジスタンスライン(ピンクの線)のあり、同線は今週114円台後半を緩やかに下げてきています。
いっぽうで、111.60は強いサポートとなっていて、さらに日米首脳会談後の安値が112.87に留まったことを考えると112円台に下がったところでは引き続き買いも出て来ると言えるでしょう。先週の安値を除くと1月後半の安値圏は112円台半ばに集中していて同水準が今週はサポートになりやすいと言えます。
テクニカルには112円台後半から114円台後半でいったんもみあい入りというのがイベント通過後のレンジになってきそうです。今週の予想レンジは、112.70レベルをサポートに、114.70レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
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