ドル円:2月6日のファンダメンタル分析
ポイントはトランプ大統領の対日政策です。
日米関係での根幹は 1.安全保障と、 2.経済・貿易問題、の2つです。
先日、マテイス国防長官が来日し、日米同盟の確認を明確に述べ、米国としてのアジア太平洋地域にたいするコミットメントを強調しました。これ自体はとても好感をもって聞いていたのですが、日本から見た場合にあまりにもよくできている会見内容・会談内容であったので、逆に要警戒と感じます。
マテイス国防長官が如何に優秀な人物であっても、あくまでトランプ大統領の対日政策の先兵であり、今後に備えるべきです。今回マテイス国防長官との関係が良好なものを構築できたとしても決して安心はできないという事です。
今週10日の日米首脳会談に要警戒なのです。
トランプ大統領の対日政策は「安全保障」と「経済・貿易問題」がアメとムチと見ます。
トランプ大統領は「安全保障」と「経済・貿易問題」をバーターにすると考えます。
通常で考えれば、防衛問題と貿易問題は、切り離して議論されるべき問題なのですが、トランプ大統領はあえて2つを取引材料にしたのだと考えます。具体的には、今回、日本サイドが当然と思っている事を米国国防長官が来日してプレスの前でそれを全て認め、日本サイドを安心させました。
しかも、もうこれ以上駐留費の要求であるとか、軍事・防衛的な要求はしないと想定されます。
次に来るのは日米首脳会談で日本に対して貿易問題で要求をしてくるはずです。
何故トランプ大統領がフォードに対して好意的になったのかと言えば、それは年初の対フォードへの批判に対して、フォードが即時メキシコ工場の新設計画を中断し、米国内への移転を決定したからです。
トランプ大統領の本当の目標は、日本自動車メーカーのメキシコにある主力工場を全て、米国内できれば中西部へもってきたいのです。その意味では、今のトヨタが、如何に米国内で生産しているかとか、如何に米国民を雇用しているかを主張してもダメなのです。今メキシコにある生産工場を移転する様に要求してくるでしょう。
具体的な計画を強く要求して来るはずです。
加えて、為替問題、つまりドル円相場へも圧力をかけて来ると強く想定するに至りました。
今まで述べてきました様に、トランプ大統領の施策では、必然的にドル高になってしまいます。発射台が今の110〜115であると120を超えてしまします。当初はこれに対して、貿易優位を保つ視点から、輸入関税を35%かける事で巨額の貿易赤字の解消を図ると見ていましたが、マテイス国防長官の話を聞いている内に、トランプ大統領のアメとムチ外交、「安全保障」と「経済・貿易問題」のバーター外交を強く意識するに至りました。
恐らく、現状の日本企業が十分に耐える体力があると思われる100.00水準までへの円高・ドル安を求めて来る可能性が非常に高いと考えるに至りました。
その意味で10日のトランプ大統領との日米首脳会談に注目での円高・ドル安への動きに備えるべきと想定します。
ドル円:2月6日のテクニカル分析
ポイント:テクニカルから見れば足元は、112.00〜115.00のレンジなのですが今週は10日の日米首脳会談があり、政治的な変動もあり得るので要警戒です。
テクニカルには、日足の一目均衡表・転換線が113.71まで下げてきていますが、未だ割り込んだままなので、足元は下向きです。本日もこの転換線を上値抵抗と考え、同線を背後に戻り売り優先、もし上抜けてくる場合には買戻しで行くという作戦に変わりはありません。
上値方向を目指すには
1. 先ずは転換線113.71の回復、そして114台の回復です。
2. 115.33で横ばいの日足の一目均衡表・基準線を超えてくれば、一段の高値更新の可能性が見えてきます。
転換線を下回っている限りは、安値模索の動きの中にあると判断します。
今日のレンジは、112.00~114.00
その場合の下値目途の見方は本日も変わらずで、
1.112.50水準をNY の引けで下抜けて来るかが引き続き重要なポイントです。
2.そして112.00、ここは昨年11月の101.20から118.60までの上昇の38.2%下押しに当たる水準です。
3.同線を下抜けた場合、予想される最大限の下値押しは109.94です。ここは50%下押しの水準です。
これまで述べてきた通り、今年は年間で見るとレンジとなり、年初来安値の112.04と、年初来高値の118.60を意識して、112〜118、もしくはやや広げての110〜120と想定します。それが通常なのですが、もしトランプ大統領の円高・ドル安の要求がある場合、下値は100.00水準までの下押しの可能性があります。
今日のレンジは、112.00~114.00と見ます。
オーダー/ポジション状況
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