ドル先高観測への調整(2017年2月3日)

ナバロNTC長官やトランプ大統領がいくら円の通貨安批判をしても、

ドル先高観測への調整(2017年2月3日)

ドル円:2月3日のファンダメンタル分析

テーマ:今のドル売りはトランプ相場のドル先高観測への調整。

ナバロNTC長官やトランプ大統領がいくら円の通貨安批判をしても、トランプ大統領が公約通りの施策をしてゆく限り米国金利は上昇し、よってドル円が向かう方向は120.00であって決して100.00ではない筈です。

ここ暫らくの米国景気指標は、米経済実態の好調さを裏付け、本日発表の1月米雇用統計では、引き続きほぼ完全雇用状態にある米国労働市場の姿をはっきりと数字で示してくると想定します。
特に米雇用統計に関しては非農業部門雇用者数の数字や失業率の数字ではなく、注目すべきは賃金上昇率です。
米労働市場が既に失業率は自然失業率の域に到達しているとの認識は、市場に広く浸透しているので、このタイトな米労働需給を統計的に証明するのが賃金上昇率だからです。
トレンドとしては前年比で前月12月分は+2.9%と前月11月の2.5%から大きく上昇、2008年のリーマンショック以前の3%台へ戻ってきています。

加えて、今回のトランプ大統領の移民・難民受け入れ拒否という大統領令です。
今までであれば、この移民・難民の流入により、労働参加率も上昇しますが、概して彼らは労働生産性の高くない労働力なので賃金上昇率を上昇はさせませんでした。
しかし今後、今までの様な安価な新規労働力の参入が見込めないのであれば、上昇を抑制するファクターがなくなる訳ですから、賃金上昇率は自然と加速してゆくと想定します。
当然3.0%を超えて来るでしょう。

更に重要なのは、トランプ大統領の移民・難民受け入れ拒否政策は、米国内の労働力人口がほぼ増えて行かない事を意味します。それなのにトランプ大統領は公約通りの減税とインフラ投資を行い、米国経済のアクセルを踏み込もうとしている訳です。結果としえ見えるのは、労働力が足りなくなってくるという問題です。まずは製造業と非製造業間での労働力の奪い合い、その為コスト・プッシュ型のインフレになってゆくでしょう。

米金利はトランプ大統領の公約通りの施策により、必然的に上昇して行き、元々が米国景気を良くする為の施策なので勿論NYダウも上昇、となればドル円は120.00の方向を向いていると判断すべきで、100.00ではありません。

ただ、足元では、昨日もオバマ前大統領が豪州と結んだ、密航者の米国への移住合意を再検討と発表した様に、いつ爆弾発言をするのか予測不可能な、且つ制御も不可能なトランプ大統領へのトランプ・リスクとしてのドル売りが台頭していて、市場では売り買いが交錯しています。
そのためあくまで調整という意味で、110.00水準までの下押しはあったとしても、ドル円は100.00以下に戻るとか、80.00であるべきだとの主張には組しません。

ドル円:2月3日のテクニカル分析

ポイント:112.06まで下押すも112.00までは到達できず。

昨日は東京時間の開始時より、もう既に日足の一目均衡表の基準線と転換線を下回り、位置としては先行スパン1と2の間に入ってしまっていましたが、遅行スパンも支持線を下回り、明らかに下押しの日でした。
日経平均も前日比230円超安の1.23%ダウンでした。
下押しで112.50〜112.00の価格帯を下抜け突破するのにはいいポジションであったのに失敗。
この112.50〜112.00の価格帯には、それだけ強く厚い買いがあるのです。
ですので、それがわかっている市場は、112.00下抜け試しが失敗とわかると、さっとショートカバーをかけ、すぐに112.50超えに戻して来ています。

1月31日、2月1日の高値ともに114台を回復できませんでした。
安値は昨日112.06で、これも下値目途の112.00に達していません。 

今日のレンジは、112.00~114.00

テクニカルには、日足の一目均衡表・転換線が113.74まで下げてきていますが、今だ割り込んだままなので、足元は下向きです。本日もこの転換線を抵抗と考え、同線を背後に戻り売り優先、もし上抜けてくる場合には買戻しで行きたいと思います。

上値方向を目指すには
1. 先ずは転換線113.74の回復です、そして114台の回復。
2. 115.34で横ばいの日足の一目均衡表・基準線を超えてくれば、一段の高値更新の可能性が見えてきます。
転換線を下回っている限りは、安値模索の動きの中にあると判断します。

その場合の下値目途の見方は変わらずで、
1.112.50水準をNY の引けで下抜けて来るかが引き続き重要なポイントです。
2.そして112.00、ここは昨年11月の101.20から118.60までの上昇の38.2%下押しに当たる水準です。
3.同線を下抜けた場合、予想される最大限の下値押しは109.94です。ここは50%下押しの水準です。

ただ、先週も述べた通り、今年は年間で見るとレンジとなり、年初来安値の112.06と、年初来高値の118.60を意識して、112〜118、もしくはやや広げての110〜120と想定します。

今日のレンジは、112.00~114.00と見ます。

オーダー/ポジション状況

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