約3週間ぶり高値圏へと急上昇。WSJニック記者によるタカ派コメントもドル買いを後押し
〇ドル円、米12月PMIの好調、WSJのニック記者のタカ派的な記事投稿等に高値154.48まで上昇
〇ユーロドル、欧州指標の好調とECB関係者のハト派スタンスの狭間で1.05を挟んで方向感を欠く動き
〇ドル円、主要テクニカルポイントを軒並み上抜け、強い買いシグナルの三役好転も点灯、地合い強い
〇日銀の年内追加利上げ観測の後退や米FRBによる過度な利下げ期待の剥落もドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの本格再開をメインシナリオとして予想
〇次のターゲットは11/15に記録した高値156.75
〇本日の予想レンジ:153.25ー155.25
海外時間のレビュー
週明け16日(月)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値153.32まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日銀による年内追加利上げ観測の後退や、(2)上記1を背景とした円キャリートレードの本格再開期待、(3)米12月総合PMI速報値(結果56.6、予想55.1)の市場予想を上回る結果、(4)WSJのニック・ティミラオス記者による「He faces misgivings from some colleagues over continuing to cut and less conviction from others who strongly backed those first two moves(FRB内では意見が分かれており、一部のメンバーはさらに利下げを進めることに対して懸念を示している。また、初期に利下げを強く支持していたメンバーについても以前ほど自信を持っていない)とのタカ派的な投稿発信、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支えとなり、米国時間午後にかけて、高値154.48まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/17午前1時30分現在)では、154.20前後で推移しております。
週明け16日(月)のユーロドル相場は方向感に欠ける展開。(1)ドイツ12月非製造業PMI速報値(結果51.0、予想49.3)の良好な結果を支えに、欧州時間朝方にかけて、高値1.0524まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(2)ラガルドECB総裁による「さらなる利下げが予定されており、その方向性は明確」とのハト派的な発言や、(3)デギンドスECB副総裁による「われわれのインフレ予測が正しければ、金融政策は利下げトレンドの継続となるだろう」とのハト派的な発言、(4)米12月総合PMI速報値の市場予想を上回る結果、(5)WSJニック・ティミラオス記者によるタカ派的なコメント発信、(6)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0474まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間12/17午前1時30分現在)では、1.0505前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時154.48まで急伸するなど、約3週間ぶり高値(11/26以来の高値圏)を回復しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントを軒並み上抜けしたことや、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転が点灯したこと、日足のみならず下位足でも強い買いシグナルが複数点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による年内追加利上げ観測の後退や、(2)米FRBによる過度な利下げ期待の剥落(先週発表された米CPI、米PPIはいずれも伸び率加速。昨日はWSJのニック記者よりタカ派的なコメント発信あり)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待、(4)中国政府による大型景気対策期待(リスク選好の円売り圧力)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。
本日予定されている米経済指標(米11月小売売上高、米11月鉱工業生産、米11月設備稼働率、米12月NAHB住宅市場指数など)が市場予想を上回る場合には、米金利上昇→米ドル買いの経路で、ドル円にもう一段強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの本格再開をメインシナリオとして予想いたします(次のターゲットは11/15に記録した高値156.75)。
本日の予想レンジ:153.25ー155.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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