ドル円、油断禁物だが基本は153円台中心の取引か(12/16夕)

週明けの東京市場はおおむね揉み合い。

ドル円、油断禁物だが基本は153円台中心の取引か(12/16夕)

ドル円、油断禁物だが基本は153円台中心の取引か

〇東京市場のドル円、153円台後半を中心とした一進一退
〇11月高値156.76起点とした短期下げ幅のフィボナッチ、次のターゲットは76.4%戻しの154.85
〇FOMC前にポジションの偏りなどから調整による下押しが入る展開にも注意
〇本日、12月NY連銀製造業景況指数や製造業PMI速報などの米経済指標が発表予定
〇ドル高円安方向、東京高値に近い154円レベルが最初の抵抗、超えると154.85目指す
〇ドル安円高方向、153.20-30がサポートになりつつあり、下回ると少し遠いが21日線などがターゲット
〇欧米時間のドル円予想レンジ:153.10-154.20

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場はおおむね揉み合い。153円台後半を中心とした一進一退で、下値は堅いが上値も重かった。

週末には、2度目の尹韓国大統領の弾劾案が、与党からの造反者が出たこともあり「可決」との決定。これにより尹氏は職務停止に追い込まれた。一方、フランスはマクロン大統領が、新首相に盟友で中道派のベテラン政治家バイル氏を任命したと報じられている。
そうした状況下、ドル/円は153.65円レベルで寄り付いたのち、当初はドル売り優勢。日中安値の153.30-35円を示現している。しかし下値も攻め切れず、じりじりと値を戻すと、その後は153円台後半を中心とした一進一退に。16時現在では153.65-70円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、暗号資産(仮想通貨)ビットコインは一時史上最高値を再び更新している。10万6000ドル台を示現する局面も。

一方、材料的に注視されていたものは「韓国情勢」と「欧州政治情勢」について。
前者は、「与党から8名の造反者がでれば可決」とされていた尹大統領の弾劾案だったが、結果は10名を超える造反者が出たもようで、2度目のチャレンジで弾劾は成功している。結果、尹氏の職務は停止となり、韓首相が大統領代行として任務を行うことに。そして早速、バイデン米大統領と電話会談を実施。そのうえで、「国政安定のために全力を尽くす」と述べていたようだ。ただし、そうしたなか「尹大統領が韓国警察の出頭要請を拒否」といった報道も観測されるなど、一連のゴタゴタがすんなり幕引きするような状況とも思われない。まだまだ油断は禁物か。

後者は、韓国の政治情勢に目を奪われがちだが、欧州の政治情勢もなかなか危うい。そのひとつは、先でも報じた「マクロン大統領が、新首相に盟友で中道派のベテラン政治家バイル氏を任命した」とされるフランス。ただ、今年に入り4人目の首相であり、こちらもすんなり政治混乱が収拾するか否かには疑問を抱く向きも少なくない。一方、それとは別に11月に連立政権が崩壊したドイツにおいて、16日に連邦下院でショルツ首相の信任投票が行われる見通しだ。首相信任投票の実施はシュレーダー政権下の2005年以来19年ぶり。ちなみに、見通しとしては否決されることが確実視されており、議会解散を経て、来年2月に総選挙が実施される運びとなるもよう。先行きの展望はなかなか見通せない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、本日東京時間に154円手前まで迫るなど、リスクはドル高方向にバイアス。以前にもレポートした11月高値156.76円を起点とした短期下げ幅のフィボナッチでは、半値戻しだけでなく、すでに61.8%戻し(153.65円)も超えており、次のターゲットは76.4%戻しの154.85円となる。ポジションの偏りや、日本当局の円安けん制発言なども気になるが、場合によっては155円程度までのドル高進行があっても不思議はないのかもしれない。
市場の関心を集める12月の日米金融政策が、今週いよいよ発表される。様々な紆余曲折があったものの、「日本は利上げ見送り」、「米国は利下げ実施」との見方が現段階では有力か。ただ、米国でいえば本日のNY時間にもなかなか重要な指標が発表されるなど、その内容如何では見方に変化が生じる可能性もないではない。クリスマスモードで薄商いのなか、荒っぽい変動にも一応注意を要しておきたいところだ。また欧州政治情勢や地政学リスクの高まりなどにもしっかりと注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は上抜けた移動平均の200日線や21日線をサポートに底堅く推移。米FOMCを前にし、ポジションの偏りなどから調整による下押しが入る展開も否定できないが、21日線らがサポートとなり、大崩れする展開はいまのところ予想していない。
とは言え、上値も重く155円を簡単に超えていくことも見込みにくい。短期的には153円台を中心とした一進一退が続く可能性もある。

本日は米経済指標として、12月NY連銀製造業景況指数や同製造業PMI速報などが発表される予定となっている。また、それとは別に先で取り上げたドイツのショルツ首相信任投票が行われることから、欧州情勢にも注意を払いたいところだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは153.10-154.20円。ドル高・円安方向は、本日東京高値に近い154円レベルが最初の抵抗。超えるとフィボナッチポイント154.85円を目指す。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期で見た場合に153.20-30円がサポートになりつつあるようだ。まずは同レベルをめぐる攻防に注目。下回ると153円割れから、少し遠いが21日線などがターゲットに。

ドル円、油断禁物だが基本は153円台中心の取引か

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る