ドルの上値リスク再燃、ただ頭は重そう
〇本日のドル円、日中高値151.55を示現後は調整売りに押され、151.20前後で欧州市場迎える
〇テクニカルには、152円レベル超えると152円後半にある21日線がターゲットに
〇本日は材料少なく、明日の米CPI発表待ちか
〇ドル高・円安方向、本日東京高値151.55レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、本日東京安値150.90をめぐる攻防にまず注目
〇ドル円予想レンジ:150.70-151.90
<< 東京市場の動き >>
東京市場は一進一退。151円台前半を中心とした上下動で、明確な方向性はうかがえなかった。
ドル/円は151.15-20円で寄り付いたのち、ドルが小高い。日中高値である151.55円レベルを示現している。しかし上げ渋ると、その後はじりじりと調整売りに押される展開に。結局151円前半を中心とした65ポイント程度の一進一退をたどるなか、16時現在では寄り付きに近い151.20円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、豪中銀が政策金利の据え置きを発表。また同総裁が「明示的な形では利下げを検討せず」などと述べるなか、豪ドル/円は日中高値から安値まで一時1円程度も値を下げている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「韓国情勢」について。
前者は、中国共産党の「中央政治局会議」が2025年の経済政策について、「より積極的な財政政策と適度に緩和的な金融政策を実施していく」と景気テコ入れメッセージを発していた。株式市場を中心に、一部で好感する向きも聞かれていたが効果を疑問視する声も決して少なくない。そもそも論とすれば、確かにこれまでと比較し強い表現ではあるが、いまのところ具体性は皆無。「期待が先行し過ぎている」や「内容をみないと何とも言えない」といった声もある。
後者は、引き続き韓国政治情勢が不安定。聯合ニュースは「韓国検察が内乱などの疑いで拘束した金前国防相の逮捕状を請求」、朝鮮日報は「韓国与党、尹大統領の『秩序ある退陣』計画を10日発表」と報道されていたほか、「韓国警察が韓首相に出頭要請」とのニュースも観測されている。その一方、政治の混乱が経済や社会生活に与える影響について、崔経済副首相が「政府と中銀の市場対応余力は十分」と述べたうえで、「過度な市場の変動性に対しては市場心理が反転できるぐらい積極的に対応する」と指摘していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、まだ微妙なところだが、当初予想していた149-151円を中心としたレンジを上抜きつつある。実際、前述したように本日東京時間にドルは151.55円レベルを示現していた。しっかり超えれば、移動平均の200日線が位置する152円レベルを目指す展開が予想されるものの、果たしてどう動くか。先週末6日には、逆に下値を試す展開となり目先ボトムを割り込んだものの、結局レンジを広げただけで終了している。今回も同様の値動きをたどらないとも限らない。
関心が高い12月の日米金融政策発表をにらみつつ、市場は引き続き思惑が交錯。日本については早期利上げ期待がやや後退しつつある気もするが、そうしたなかブルームバーグは吉川東大名誉教授へのインタビューとして「日銀は早期利上げ必要」と報じていた。米国を含めてだが、まだまだ予断を許さず、発表される経済指標や要人発言などに一喜一憂する値動きをたどりそうだ。一方、それとは別に先で取り上げた韓国やシリアを中心とした地政学リスクの高まりにも注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は先週末に149円台前半を示現するなど、若干下方向へのリスクがうかがえたが、その後の反発を経て足もとは逆に上方向へのリスクが指摘されている。152円レベルを超えれば、152円後半に位置する21日線がターゲットに。
しかし、下値基盤もそれほど強固ではない。このあと151円台へと切り上がってくる一目均衡表の先行帯の雲の上限を下回れば、上値トライの様相はダマシだったと可能性も出てきそうだ。
本日は米経済指標として、7-9月期の非農業部門労働生産性改定値やレッドブック週間小売売上高が発表される予定となっているものの、市場の関心はそれほど高くない。材料視される可能性は低そうだ。基本は明日の米消費者物価指数発表待ちかも知れない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは150.70-151.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の151.55円レベルが最初の抵抗。超えると200日線を目指す。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値150.90円レベルをめぐる攻防にまず注目。割り込むと150円前半へ続落も。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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