ドル円 シリア情勢など不安抱えるも基本はレンジか(12/9夕)

週明けの東京市場はおおむね揉み合い。週末に報じられたシリア情勢などを受け、もう少し荒れた相場が予想されたが、思いのほか静かだった。

ドル円 シリア情勢など不安抱えるも基本はレンジか(12/9夕)

シリア情勢など不安抱えるも基本はレンジか

〇東京市場のドル円、150.05レベルで寄り付き小動き、149.70-150.20で50ポイント程度のレンジ取引
〇12/11の米11月消費者物価指数発表を警戒する声が多い
〇先週安値148.65をしっかりと下回るとドルの大幅続落否定できず
〇ドル高円安方向、150.60-80が最初の抵抗、超えると151円乗せが現実味
〇ドル安円高方向、東京安値149.70レベルめぐる攻防に注目、割り込むと先週末安値149.37ターゲット
〇欧米時間のドル円予想レンジ:149.60-150.70

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場はおおむね揉み合い。週末に報じられたシリア情勢などを受け、もう少し荒れた相場が予想されたが、思いのほか静かだった。

週末に実施された、韓国の尹大統領の弾劾訴追案は「不成立」との結果に。一方、シリアにおいて反体制派が首都を進攻し、アサド大統領が国外逃亡を図るなど政権が崩壊したと伝えられている。
そうした状況下、ドル/円は150.05円レベルで寄り付いたものの、全体的に小動き。149.70-150.20円と、およそ50ポイント程度のレンジ取引に。前述した韓国やシリア情勢をもう少し材料視、あるいは懸念されるかと思いきや、本日に限れば影響は限定的だった。16時現在では150.05-10円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「シリア情勢」と「韓国政治情勢」について。
前者は、内戦が続くシリアの反体制派が、首都ダマスカス市内に進攻し制圧。事実上の政権崩壊となったようだ。そうしたなかアサド大統領はすでにシリアから国外へ亡命。当初は行方をくらませていたが、そののちタス通信が「アサド氏が家族とともにモスクワに到着し、人道的配慮に基づきロシアへの亡命が認められた」と報じていた。そんなシリア情勢について、国連事務総長は「独裁政権崩壊を歓迎する」旨のコメントを発するなど、おおむね歓迎ムード。日本も林官房長官が「人道状況の改善につながる可能性がある」と述べたうえで、「中東地域における緊張緩和に向けた必要な措置を取ることを強く求める」と指摘していた。

後者は、前述したように、週末実施された尹大統領の弾劾訴追案が「不成立」に終わる。目先の危機は乗り越えた感もあるが、最大野党は「尹大統領の弾劾案をこのあと再提出する」との考えを示しており、まだまだ予断を許さない。また、それ以外でも与党代表から「尹大統領は自身の任期を与党に一任しており、退陣を事実上約束した」との発言が聞かれたうえ、「韓国検察が『内乱』容疑で尹大統領を捜査」、「韓国警察、尹大統領の出国禁止を検討」−−などといったネガティブな報道が相次いでいる。騒乱状態は当面収まりそうになく、政治だけでなく社会情勢もまだしばらく不安定な状態が続く見込みだ。

<< 欧米市場の見通し >>

先週末に注目の米雇用統計が発表された。さすがに発表前後に荒れた値動きをたどるも結局レンジ内。ドル/円相場は依然として149-151円を中心とした往来相場だ。次の材料をにらみつつ、前述レンジ取引が基本的には続く可能性がある。ちなみに、一目均衡表では先行帯の雲の上限が150円近くに位置し、それに絡む動きが予想されるなか、NYクローズベースで上回れるのか否かも注視されている。
市場の関心が高い12月の日米金融政策発表をめぐり、今週も日米の経済指標や要人発言などに一喜一憂する展開か。米国については、とくに11日の11月消費者物価指数発表を警戒する声が多いようだ。一方、それとは別に先で取り上げた韓国やシリア、ウクライナ情勢なども波乱要因として警戒されている。また、SNSなどを通じて発せられるトランプ次期米大統領の発言も、折につけ物議を醸すことが少なくない。一応注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円の基本的なリスクはドル安方向にバイアスが掛かるも、足もとは小康。先で指摘したように149-151円を中心とした往来相場で、方向性を欠いている。短期的にはもう少しレンジ取引が続く公算が大きいだろう。
しかしながら、徐々にドル再下落の機運が高まりつつあるようで、先週安値の148.65円をしっかりと下回るとドルの大幅続落を否定できなくなる。

本日は米経済指標として、10月の卸売売上高や11月のNY連銀1年インフレ期待が発表される予定となっているが、市場の関心はそれほど高くなく、基本的にはノーインパクトか。明日以降の材料待ちとなる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.60-150.70円。ドル高・円安方向は、5日から6日かけて何度か上値を抑制された150.60-80円が最初の抵抗。超えると151円乗せが現実味を帯びてくる。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値149.70円レベルをめぐる攻防にまず注目。割り込むと先週末安値149.37円がターゲットに。

シリア情勢など不安抱えるも基本はレンジか

ドル円日足


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