ドル高基調は継続するも、短期的には調整要注意
〇本日のドル円、当初ドル買い優勢で153.35-40を示現、その後152.55レベルまで下落
〇テクニカルにはドル高基調継続だが、ドル一段高は仕切り直しか
〇本日は米ミシガン大学消費者信頼感指数、また地政学リスクの高まりに要注意
〇ドル高・円安方向、153.40レベル、そして153円半ばの攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向、152.55レベルが最初のサポート
〇ドル円予想レンジ:152.00-153.40
<< 東京市場の動き >>
東京市場は結果的に「行って来い」。寄り付きレベルを中心に上下へ振れるも、最終的には元のレベルへと回帰している。
ドル/円は152.90-95円で寄り付いたのち、当初はドル買い優勢。153円台へと値を上げ、日中高値の153.35-40円を示現したものの、勢いは続かなかった。その後はじりじりと値を崩すとあっさり153円割れ。さらにドルは続落すると、152.55円レベルまで値を下げている。16時現在では寄り付きに近い152.85円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、注目の米FOMCの結果が発表され、2会合連続の「0.25%利下げ」が発表されている。また、そののちパウエルFRB議長は会見で「既定の道筋はなく、会合ごとに決定」などと述べたものの、「インフレは大幅に緩和したが勝利宣言はしない」や「失業率は過去3ヵ月で低下、しかし賃金上昇は鈍化」といった文言を踏まえたうえで、追加利下げをイメージする向きもあったようだ。どちらかというとドル売り要因か。なお、それとは別に、パウエル議長は「トランプ次期政権から辞任を要求されても応じる考えがない」との考えを示し、こちらも一部で話題になっていた。
後者は、米国の次期大統領がトランプ氏に決まったことで、ロシア・ウクライナ情勢について、様々な情報や憶測が飛び交っていた。ロシアのペスコフ報道官は、ウクライナ危機の解決に努めるというトランプ氏の発言について「ロシア指導部は留意している」と述べ基本的な部分では歓迎する意向を表明。またプーチン大統領も「用意できている」と述べ、ウクライナ侵攻後に途絶えた米露の首脳外交の再開、米露首脳会談開催に意欲を示していた。それに対し、ウクライナ側は警戒感を露に。ゼレンスキー大統領が、欧州各国の指導者に対し、ロシアの脅威に対抗するため「力による平和」のアプローチを採用するよう呼びかけたうえ、ウクライナ外務省は「長射程兵器によるロシア領内攻撃」を西側諸国に改めて要求していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、6日と7日に高値154.70円レベルを示現したものの、その後は冴えない。本日東京では152円半ばまで、あっという間に2円を超える下落をたどっていた。基本的なドル高という流れそのものはまだ有効と考えているが、本邦要人の円安けん制発言もあり、上値を積極的には買いにくく、短期的にはむしろ調整的な下押しに要注意かもしれない。移動平均では現在21日線が急上昇中で、来週中には152円台へと達することが見込まれている。サポートになるのか否かに注目だ。
注目の米政策金利が昨日発表され、0.25%の利下げが実施されたが、市場ではその後のパウエル会見などをうけ、「12月の追加利下げ」を予想する向きも少なくない。ただ、それまでに発表される米指標の内容次第といった面は否めず、そうした意味では本日発表される11月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値にもしっかりと注意を払っておきたいところだ。一方、中東を中心とした地政学リスクの高まりや、トランプ氏の大統領就任に向けた様々な憶測なども場合によっては市場の波乱要因に。
テクニカルに見た場合、ドル/円は154.70円レベルまで一時値を上げたものの、155円を超えられずに反落。ドル高基調は続いていると思われるが、一段のドル上値追いが仕切り直しになった感がある。上値は重そうだ。
それに対して、ドルの下値は152円半ばが最初のサポート。しっかり下回ってしまうと、少し遠いが151.60-70円に位置する移動平均の200日線が視界内に。
本日は米経済指標として、11月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値が発表される予定となっている。昨日、米FOMCの結果として0.25%の利下げが発表されたばかりだが、予想より悪化したりすればドル売り支援要因となりかねない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは152.00-153.40円。ドル高・円安方向は、本日高値の153.40円レベル、そして153円半ばの攻防にまずは注目。上抜けると154円乗せは否定できないが、それでも上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値152.55円レベルが最初のサポート。下回るようだと152円割れから、200日線も視界内に捉えられかねない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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