米大統領選絡みのニュースなどに一喜一憂か
〇本日のドル円、底堅い反面上値も重く、152.10-55のレンジ取引に終始
〇米大統領選の開票進捗状況による相場変動に要注意
〇本日は米9月の貿易収支、10月ISM非製造業総合指数等の発表予定
〇ドル高・円安方向、昨日、本日とも上値を抑制された152.60レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、昨日安値151円半ばが強いサポートか
〇ドル円予想レンジ:151.60-152.90
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが底堅い。注目の米大統領選に絡む報道などに一喜一憂しつつ、大きな動意は見送られている。
ドル/円は寄り付いた152.10円レベルが日中安値となり、かなり底堅い雰囲気。早朝に、またもや「北朝鮮による弾道ミサイルと思しき飛翔体発射」報道があったものの、影響は極めて軽微だった。ドルは底堅い反面上値も重く、日中高値は152.55円レベルまで。つまり、152.10-55円という50ポイントにも満たないレンジ取引に終始している。16時現在では152.35-40円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、本日から東証の株取引時間が30分延長となるなか、終値は前日比421円高だった。
一方、材料的に注視されていたものは「米大統領選」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、状況が二転三転し、稀に見る接戦と言われる米大統領選の投開票がいよいよ開始されている。ブルームバーグでは「仮に民主党候補のハリス副大統領が勝利した場合、市場への影響は大きくなる」と懸念を示していたが、なかなか選挙結果の先行きは見通せない。基本的には、明日の東京時間午前中ぐらいまでには大勢が判明する見通しだが、郵便投票の開票に手間取っているとの情報もあり、勝者の確定には数日かかるといった見方も少なくないようだ。また、昨日も報じたようにトランプ氏からは早くも「陰謀論」を取り沙汰するコメントが聞かれるなど、選挙結果によっては再集計の実施なども予想され、結果判明がさらに後ずれする可能性もある。また、それとは別に暴動などの懸念も高まっているようで、様々な意味合いで米大統領選は波乱含みだ。
後者は、G7外相から10月31日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射について「非難」声明が発表されるなか、早朝7時半ごろに海上保安庁から、またもや「北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射された」との発表があり物議を醸していた。しかし、1時間を大きく超える飛行となった先のICBMではなかったようで、今回は30分程度でEEZ外に落下したもよう。一方、それとは別にロシアに派兵されている北朝鮮軍が、はじめてウクライナ軍と戦闘したとの報道も取り沙汰されていた。共同通信によると、ウクライナ高官が「北朝鮮兵が配置された拠点に対してウクライナ軍が砲撃したと述べた」という。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は様子見商状。次の方向性を探る動きとなっている。短期的には米大統領選の結果をにらみつつ、151-153円程度のレンジ取引が続くとの見方が少なくない。なお、そんな選挙戦はほぼ互角とされるが、トランプ氏が勝利すればドル高、ハリス氏ならば逆にドル安へと向かうなどといった声が優勢か。いずれにしろ、思惑などによって為替市場も激しい値動きをたどることがありそうで、予断を許さない。
引き続き日米金融政策が注視されており、7日に予定されている米FOMCの結果発表ももちろん要注意だ。ちなみに市場では「0.25%の利下げ」見通しが大勢だが、加えて年内再利下げの可能性をどこまで織り込むのかに対する関心も高い。しかし、まずは米大統領選が相場の波乱要因に。先でもレポートしたように、事前の支持率などがかなりの僅差ゆえに開票の進捗状況などによっては思惑が交錯し、相場が荒っぽい変動をたどることも否定できない。リスク管理はしっかりとしておきたいところだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円でひとつ気になるのは、昨日早朝に空けた上方向のギャップをまだ埋めきっていないこと。152.65-153.00円レベルに窓が依然として開いたままだ。米大統領選の開票結果などをにらみつつ、本日中にもこれをしっかりと埋めきるのか否かにまずは注目したい。
対する下値は移動平均の200日線も近い151円半ばの攻防か。しっかり下回れば151円近くまで値を上げている同21日線が意識されそう。
本日は米経済指標として、9月の貿易収支や10月のISM非製造業総合指数などが発表される予定となっている。しかし、以前より指摘しているように、本日のポイントは米大統領選か。伝えられる開票状況などに一喜一憂する展開も。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.60-152.90円。ドル高・円安方向は、昨日そして本日も上値を抑制された152.60円レベルが最初の抵抗。上抜けると153円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の151円半ばが強いサポートか。移動平均の200日線も程近いレベルに位置している。しっかり下回ると、さらに下値余地が拡大しかねない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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