米雇用統計を注視、発表前後は荒れ模様か
〇本日のドル円、151.80を示現して目先底入れ後、152.65前後へ上昇
〇今夜の米雇用統計、PMI、ISMの結果次第では乱高下の可能性も
〇テクニカルには、目先高値153.88を目指すか、151円半ばの200日移動平均線割れとなるか要注視
〇ドル高・円安方向、152.65レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、151.80レベルの攻防にまずは注目
〇ドル円予想レンジ:151.60-153.10
<< 東京市場の動き >>
東京市場は結果ドルが小高い。上下に振れるなかなかの乱高下をたどるも、徐々にドル買いが優勢となり結局高値引け。
ドル/円は152.00-05円で寄り付いたのち、当初はドルが冴えない。低位揉み合いといった様相を呈するなか、日中安値の151.80円レベルを示現している。しかし目先底入れ後は、逆にドルが小じっかり。上値を抑えていた152.20円レベルを超えると、そのまま日中高値の152.65円前後へ。16時現在でもそのままドル高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、対照的に日経平均株価は大幅続落。終値でも1000円を超える下落をたどっている。
一方、材料的に注視されていたものは「米経済指標」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、昨日のNY時間に重要な米経済指標が相次ぎ発表されたが、総じていえば予想通りかやや良好な内容が多かった。たとえば、PCEデフレーターはおおむね予想通りだったが、同コアデフレーターや新規失業保険申請件数はやや強めの内容。そうした状況下、本日はこのあと注目の10月雇用統計が発表される予定だが、果たしてどういった内容となるのか注目だ。ちなみに、もっとも注視されている非農業部門雇用者数はプラス10万人程度を予想する向きが多いものの、ハリケーンやストが数字の下方修正要因になるなどとして、警戒を抱く声も聞かれている。
後者は、週間を通して「北朝鮮によるロシアへの派兵」が物議を醸すなか、昨日から本日に掛けても幾つかの要人発言などが聞かれていた。実際、米国連代理大使は「ロシアのクルスク州に北朝鮮兵士は8000人いる」、米国務長官は「ロシアは北朝鮮兵を近く前線に投入する見込み」、さらにゼレンスキー氏は「数日以内に北朝鮮兵と交戦する可能性がある」と述べていたようだ。一方、それとは別に昨日早朝に観測された、北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射と思しき動きを受け、国連安保理は4日にも緊急協議を行うことを明らかにしている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、大きな意味ではレンジ内だが、ややドル安方向のリスクを感じさせる足形。実際、昨日欧米時間の終盤に152円割れ、そして本日東京でその安値をさらに下回る局面も観測されていた。テクニカルには、151円半ばに位置する移動平均の200日線も、視界内に捉えていることは間違いないだろう。しかし、先でも取り上げたように、このあとには米雇用統計の発表という重要イベントを控えており、その結果次第では一転してドルが再び買い進まれる展開もあり得る。
引き続き日米金融政策が注視されるなか、日銀については「12月利上げ説」が取り沙汰されており、今後の動きが気になるところ。それに対し米国は、早期利下げ観測が後退しつつある。先で指摘したように昨日発表された米経済指標は総じて良好となり、観測を支援した格好だが、本日このあと発表される米雇用統計の内容如何では再び早期利下げ観測が強まることもありそうだ。また、その影に隠れがちだが、ISM製造業景況指数の発表にも一応注意を払っておきたい。
本日は米経済指標として、10月雇用統計や同ISM製造業景況指数などが発表される予定となっている。なかでも前者、雇用統計への関心が高いものの、その1時間半後に発表される後者も予断を許さず。対照的な内容となるようだと、それぞれの発表をめぐり荒っぽい変動が続く可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.60-153.10円。ドル高・円安方向は、まず東京高値の152.65円レベルが最初の抵抗で、上抜けると153円乗せを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値に当たる151.80円レベルの攻防にまずは注目。割り込めば200日線を目指すが、それも下回るとさらに下値余地が拡大しかねない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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