基本は明日以降の材料にらみ、レンジ取引か
〇東京市場のドル円、153円台前半40ポイントほどの小動きでレンジ取引
〇明日の日銀会合や週末の米雇用統計などをにらみ、往来相場が続く可能性も
〇本日、10月ADP雇用統計や7-9月期GDP統計速報値などの米経済指標が発表予定
〇短期的にはやや方向性欠くも抜けるなら上方向か、日本当局の対応にも要注意
〇ドル高円安方向、2日連続ドルが上げ止まった153.85-90が最初の抵抗、上抜けると154円超えも
〇ドル安円高方向、153円の攻防にまずは注目、割り込んでも152円半ばあたりは底堅い
〇欧米時間のドル円予想レンジ:152.70-153.90
<< 東京市場の動き >>
東京市場はレンジ取引。153円台前半、40ポイントほどの小動きだった。
ドル/円は153.35円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。とくに目立った材料もなく、また本邦要人からの円安けん制発言も聞かれなかったことで、手がかり材料難だった。16時現在では153.30円挟みで推移し、欧米市場を迎えている。
なお、そうしたなか発表された豪消費者物価指数を受けて、豪ドルが一時急落。対円では100.70円レベルから100.20円前後まで値を崩したが、下値も限られた。
一方、材料的に注視されていたものは「北朝鮮情勢」と「中東情勢」について。
前者は、引き続き「北朝鮮によるロシアへの派兵」が物議を醸す。信憑性は低いと見られるものの、リトアニアNGO発として「北朝鮮軍は25日にウクライナ部隊とすでに交戦」−−との情報も飛び交っていた。実際そこまでは行っていないようだが、それでも米国防総省は「一部の北朝鮮兵がロシアのクルスク州に到着した」と発表。また米CNNは「少数の北朝鮮兵がウクライナ入り」と伝えるなど、戦線に向かいつつあることは確かなようだ。なお、上記のような動きを受け、バイデン米大統領は北朝鮮軍が越境した場合、ウクライナは反撃すべきとの考えを示している。
後者は、先の総選挙で与党・自民党が惨敗を喫した日本の政治情勢が混迷を極めている。共同通信が行った緊急世論調査で、石破内閣の支持率はなんと32.1%。内閣発足時から約1ヵ月で18.6%も下落したことになる。そうしたなか、来月11日に決まった特別国会での首相指名が注目されているが、各党とも激しい駆け引き、そして鍔迫り合いに動いている。たとえば「国民民主党が立憲民主党との党首会談を断る」、「自民党が世耕氏ら4氏に会派入りを要請」−−など、自民党を中心になりふり構わず。すでになんでもありの状況だ。ただ、惨敗の責任を取らせる格好、「石破降ろし」の機運は徐々に高まりつつあるようで、まだまだ先は見通せない。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、昨日も一時154円に迫るが超えられず。結果として今週に入って以降、おおよそ152.50-154.00円といった1.5円ほどのレンジを形成しつつあるようだ。本稿執筆時のドル/円は153.30円レベルと、ちょうど真ん中の居心地の良いレベルでの推移。このあと決して材料がないわけではないものの、明日の日銀会合結果発表や週末の米雇用統計などをにらみ、上記レンジを中心とした往来相場が続く可能性もある。
日米金融政策が引き続き市場の関心を集めるなか、明31日に日銀が金融政策決定会合の結果を発表する予定だ。ブルームバーグでは「総選挙の与党大敗や足もとの円安進行を受け、金融政策正常化路線に不透明感が増している」と報じていたが果たして結果は如何に。一方、それとは別に依然として混迷の度合いを深める日米政治情勢、そしてガザを中心とした中東、そして北朝鮮の派兵も観測されているロシアのウクライナ侵攻なども気掛かりだ。状況如何で、相場の波乱要因となりかねない材料は現在目白押しとなっている。
テクニカルに見た場合、ドル/円の基本的なリスクはドル高方向だが、短期的にはやや方向性を欠いている感。実際、今週は152.50-154.00円といった1.5円ほどのレンジに、ここまではとどまっている。
いま少し、そんなレンジ取引が続く可能性が否定できないものの、問題はその先。漠然としたイメージだが、来週の米大統領選をにらみつつ、抜けるとすれば上方向という気もしないではない。ただ、その場合には日本の当局による「対応」にも要注意だろう。
本日は米経済指標として、10月のADP雇用統計や7-9月期のGDP統計速報値などが発表される予定となっている。後者もさることながら、週末発表の米雇用統計をにらみ前者の雇用データをとくに注視している向きが少なくないようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは152.70-153.90円。ドル高・円安方向は、2日連続でドルが上げ止まった153.85-90円が最初の抵抗。上抜けるとその勢いのまま154円超えも否定できない。
対するドル安・円高方向は、本日東京で一度も割り込んでいない153円の攻防にまずは注目。ただ割り込んでも152円半ばあたりはなかなか底堅そうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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