ドル円 ドル高継続するも上値重く、基本は強保ち合い(10/29夕)

東京市場は往来相場。153円を挟んでの上下動で、目立った方向性はうかがえなかった。

ドル円 ドル高継続するも上値重く、基本は強保ち合い(10/29夕)

ドル高継続するも上値重く、基本は強保ち合い

〇本日のドル円、次の材料待ちで153円を挟んだ往来相場、上げ渋りの様相
〇加藤財務官の円安けん制発言、影響は限定的
〇今週は米9月雇用動態調査、日銀会合、週末の米雇用統計に注目
〇ドル高・円安方向、本日東京高値153.35レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、東京安値152.75レベルの攻防にまずは注目
〇ドル円予想レンジ:152.50-153.90

<< 東京市場の動き >>

東京市場は往来相場。153円を挟んでの上下動で、目立った方向性はうかがえなかった。

ドル/円は153.30円レベルで寄り付いたものの、次の材料待ちといった様相で基本はレンジ取引。152.75-153.35円といった153円を挟んだ往来相場をたどっていた。途中、加藤財務官から「投機的動き含め市場動向をさらに注視する」などといった円安けん制発言が聞かれるもトーンはそれほど強くなく、影響も限定的。16時現在では153.00円前後で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「北朝鮮情勢」と「中東情勢」について。
前者は、北朝鮮によるロシアへの派兵が、時間の経つごとに大騒動となってきたようだ。実際、スイス大統領は長年堅持してきた「永世中立」の立場からの転換を示唆。ウクライナへの武器再輸出の禁止解除を支持する考えを示していたほか、米国防総省も「ロシアに派遣された部隊が約1万人に上る」と発表するなど、当初から数字を大きく上方修正させ強い懸念を表明した。また、後者については「北朝鮮が戦闘に加わった場合、米国はウクライナによる米兵器の使用に新たな制限を課さない」とも発表している。まだギリギリのところで踏みとどまっているが、今後最悪の展開をたどった場合には「第3次大戦」といった状況に陥らないとも限らないだろう。

後者は、イスラエルが国内での国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動を禁止する法案を可決するなか、国連安全保障理事会はイスラエル軍によるイランへの報復攻撃を受けて緊急会合を開催している。各国は中東地域の緊張がエスカレートしていることへの懸念を示し、すべての当事者に攻撃を自制するよう求めたものの、当事国であるイスラエルとイランは非難の応酬に終始し、対立解消には至らなかった。不安定な情勢はまだ当面続く可能性がある。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、昨日東京の早い時間帯に戻り高値153.88円を示現するも、以降は上値も重く冴えない動き。その流れを本日東京でも継いでいたようで、底堅いが頭も重く上げ渋りの様相だ。今週は週末の米雇用統計発表を中心に注目材料が多く予断を許さないものの、短期的にはそれら材料をにらみつつ、ドルは153円台などで強保ち合いをたどる展開か。ただし、仮に小動きにとどまっても飽くまで一時的、次の動意に向けた時間調整に過ぎないとの見方は少なくない。

市場は引き続き日米の金融政策を注視している。そうしたなか日銀による金融政策決定会合の結果発表とともに、注目の雇用統計を中心とした重要な米経済指標の発表が注視されているようだ。後者については、本日も9月の米雇用動態調査などが発表される見込みとされ、しっかりと注意しておきたい。また、それとは別に日米政治情勢にも要注意。日本もさることながら、米国も大統領選まであと10日足らずと、いよいよ大詰めを迎えつつある。選挙結果は、為替のみならず金融市場すべてに大きな影響を及ぼす可能性を秘めているだけに、そのときに向けいまから準備を怠りなくしておきたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円はドル高・円安基調が継続しているものの、昨日東京時間に示現した高値153.88円でドル高も取り敢えず一服か。超えれば154円どころか、いよいよ155円が視界内に捉えられかねないが、そうした動きはまだ先か。
一方、昨日早朝に空けた152円後半などのギャップはほぼ埋めた格好で、ドルの下値リスクもさほど高くはない。目先であれば152円前半から半ばまでの下げが精々という気もしている。

本日は米経済指標として、9月の雇用動態調査や10月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数などが発表される予定となっている。前者は、これまであまり重要視されることもない指標だったが、ここ最近は注目度が高く、市場の波乱要因となることも少なくない。週末に注目の米雇用統計が発表されるだけに、その露払い的な位置づけもあり注意が必要か。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは152.50-153.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値にあたる153.35円レベルが最初の抵抗。上抜けると昨日記録した153.88円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値152.75円レベルの攻防にまずは注目。ただ割り込んでも152円半ばあたりはなかなか底堅そう。いずれにしても大崩れは予想しにくい。

ドル高継続するも上値重く、基本は強保ち合い

ドル円日足



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