ドルは152円台後半で推移、日銀会合では植田総裁も日米政権の行方を見極める展開に
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株はしっかりの地合いとなったが、日銀による追加利上げ観測後退が引き続き強いことから152円台後半での推移となった。
昨晩の海外時間では、原油安などを受け金利の低下に伴いドル売りが優勢となり152円台半ばまで下落したが、その後、米10月ダラス連銀製造業活動指数が予想外に改善したほか、低調な米2年債や5年債入札結果を受け、債券利回りが上昇に転じ、ドル買いが強まった。また、衆院選の結果を受け、日銀の12月追加利上げ観測後退で円売りも強まり153円台まで値を戻した。
東京時間では、日本株は引き続き買戻し優勢でしっかりの展開となったが、衆議院選挙後の政治情勢の不透明感が強まっていることから、年内の利上げ観測がより後退。米大統領選に対する警戒感なども影響して積極的な売買は手控えられ、152円台後半での静かな推移となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:153円30銭
高値:153円32銭
安値:152円75銭
終値:152円84銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:165円76銭
高値:165円81銭
安値:165円16銭
終値:165円23銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 100円88銭
高値: 100円91銭
安値: 100円27銭
終値: 100円33銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:198円78 銭
高値:198円86銭
安値:198円02銭
終値:198円12銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38524円30銭
高値:38903円68銭
安値:38416円85銭
終値:38903円68銭(前日比+298円15銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、米、9月卸売在庫(速報値)、前回:0.1%、市場予想:0.0%
22時00分、米、8月S&Pケースシラー住宅価格(20都市)、前回:5.92%、市場予想:4.85%
23時00分、米、9月JOLTS求人件数、前回:804.0万人、市場予想:793.0万人
23時00分、米、10月コンファレンスボード消費者信頼感指数、前回:98.7、市場予想:99.2
FRBがブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛期間、11月8日まで)
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、9月JOLTS求人件数や10月コンファレンスボード消費者信頼感指数などを見極める必要はあるが、日銀金融政策決定会合を前に積極的な円の売買は手控えられそうだ。
衆議院選挙の結果を受けて、市場では国内政治情勢の不安定化によって金融市場の混乱や経済政策の停滞が発生し、日銀は利上げを実施しにくくなるとの思惑が強まっている。植田日銀総裁からは、前向きな利上げ実施に意欲を示す発言が聞かれるが、少なくても首相が決まる特別国会が開催されるまでは日銀による様子見ムードが強まろう。
同時に11月5日の米大統領選の結果が日本経済にどのような影響を及ぼすかも見極め材料となる。植田総裁は頻繁に米国経済の話を持ち出していることから、11月6−7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ実施の有無なども確認したいデータの一つだ。
7月末から8月初旬の金融市場の大混乱以降、コミュニケーションを重要視している日銀としては、こういった日米の状況を考慮して、今会合で思い切った発言及び方針は公表しないだろう。市場もこうした日銀のスタンスを見越していることから、トレードチャンスに乏しい日銀会合となりそうだ。
日足の一目均衡表では、転換線をサポートに雲上限や100日移動平均線を明確に上放れている。7月3日の高値161円99銭から9月16日の安値139円56銭の下落幅22円43銭の61.8%戻し水準である153円42銭を達成したことから、次のターゲットは、3分の2戻しの154円51銭が意識されそうだが、上値も重くなりそうな状況だ。
今晩の海外時間では、米経済指標通過後の円は小動きとなると想定。上値メドは153円50銭、下値メドは152円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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